中国政府が8日、北朝鮮の核・ミサイル開発と韓米合同軍事演習の同時中止を提案したことについて、米国はひとまず受け入れ拒否の意思を表明し、THAAD(高高度防衛ミサイル)の朝鮮半島配備を強行する意志を再確認した。
マーク・トナー米国務省報道官代行は8日(現地時間)、北朝鮮の核問題の解決策として提示した中国の「仲裁案」に関して「公平な取引ではないと思う」とし、「定例的に透明に実施してきた防衛的な韓米合同演習と、北朝鮮の露骨な国際法違反を比較するのは、リンゴとオレンジを比較するようなもの」だと明らかにした。しかしトナー報道官代行は「朝鮮半島の非核化に対し、信頼できる真実の交渉に戻るという目標においては、北朝鮮との会話の道は開いている。ただ、非核化と挑発抑制のための意味ある措置を取る責任は北朝鮮にある」と話した。中国側の事情に詳しい外交消息筋は「米国が北朝鮮の核・ミサイルと韓米合同演習の同時中止を今すぐ受け入れるのは難しい。(中国の)今回の提案は第一歩を踏み出したもの」と明らかにし、今後中国側の追加の動きがあることをほのめかした。
ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は、この日の定例ブリーフィングで「THAAD配備は韓国防衛のために極めて重要である」とし、「韓国が自分たちを防衛するのに必要な処置を確実にとるように韓国政府と持続的に協力するだろう」と明らかにした。米国はこれまで、THAAD配備の目的を「韓国国民と米軍の保護」と強調してきたが、スパイサー報道官はこの日のブリーフィングで「韓国の保護」だけを言及した。また、ニッキー・ヘイリー国連駐在米国大使はこの日、ニューヨークの国連本部で開かれた北朝鮮のミサイル発射と関連した安全保障理事会の緊急会議を終えた後の記者会見で「私たちは理性的な行動をしない人(金正恩(キム・ジョンウン))と交渉しない」と主張した。
これと共に、トランプ政権が検討中の北朝鮮政策と関連してニューヨークタイムズはこの日、「国家安保会議の副補佐官らが広範囲な対北朝鮮オプションを検討してきた」と伝え、「北朝鮮のミサイルや核基地を攻撃するような劇的な力の誇示は、戦争を引き起こすだろうという結論にすでに達している」と明らかにし、一時議論された「先制攻撃論」などは事実上排除したものと伝えられている。