「首相夫人は籠池泰典(森友学園)理事長といつから知り合ったのか。そして何回会ったか」(小池晃共産党議員)
「いつからか知らない。妻は私人だ」(安倍首相)
安倍晋三首相の夫人である昭恵氏が、学校敷地の安値購入疑惑を受けている大阪の学校法人森友学園が新しく作る小学校の名誉校長職を引き受けた問題を巡って、日本の政界で激しい攻防が交わされている。安倍首相は「私と妻が今回の事件に関与したとすれば、首相はもちろん議員職も辞任する」として背水の陣を敷いているが、昭恵氏が新しい学校の名誉校長として名前を上げたことはもちろん(先月24日自主辞退)、右翼色を強く見せるこの学校法人の講演会に数回にわたり講師として立つなど、深い関係を結んできたことが事実と確認されている。すると、安倍首相は1~2日の参議院予算委員会で「私の妻は私人」として返答を避けたり「妻を犯罪者扱いされるのは不快だ」として、逆攻勢にも出た。
韓国の大統領夫人は公人だが、日本の首相夫人の場合、地位がやや曖昧だ。これまで安倍首相には批判的だった韓国メディアは、昭恵夫人に対しては好意的視線で報道してきた。昭恵氏が熱情的韓流ファンであることに加え、原発再稼働など種々の懸案で夫の政策に反対するなど“家庭内野党”の役割をしてきたためだ。だが、昭恵氏は日本の侵略戦争を美化する靖国神社を参拝し、関連写真をフェイスブックに上げるなど、ときおり首をかしげざるをえない姿を演出してもいた。
西田亮介・東京工業大学准教授(社会学)は2日付の東京新聞とのインタビューで「(昭恵氏は)当初から神道など精神論でも過去の日本の姿を礼賛する意識が強い人だった。女性活動の象徴のようにマスコミが扱ったが、この間注目されなかった面が今になって表に出た」という見解を出した。