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[記者手帳」独島に少女像を設置する動きをどう見るべきか?

登録:2017-01-18 23:56 修正:2017-01-19 06:31
今月18日、釜山市東区にある日本領事館前に建てられた少女像近くで、「釜山大学生同胞一つ」のメンバーたちが少女像守り隊の発足式を行った後、領事館側に向かってラッパを持ち「少女像に手を出すな」いうスローガンを叫んでいる=釜山/連合ニュース

 独島(日本名・竹島)について何か言及する度に、いつも参照するのは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が2006年4月に発表した「韓日関係に関する特別談話文」だ。談話文が強調するのは、独島は「単なる小さな島に対する領有権問題」ではなく、「日本との関係において、誤った歴史の清算と完全な主権確立を象徴する問題」という“峻厳な事実”だ。だからこそ、京畿道議会議員たちが日本軍「慰安婦」問題に対する日本政府の正しい対応を求めて、独島に平和碑(少女像)を建てる募金に乗り出したことを、むやみに批判するのは難しい。

 にもかかわらず、あえてこのような文を書くのは、戦時下の女性に対する拭えない“国家犯罪”である慰安婦問題に、韓日間の“領土問題”である独島問題を絡ませた時に発生しうる様々な困った問題について、もう少し冷静に考えてみてほしいという願いからだ。

 日本政府が“法的責任”を認める形で、慰安婦問題を正しく解決しなければならないというのは、国際社会の共通した常識だ。1996年国連(UN)クマラスワミ報告書が「慰安婦は国際人権機関の基準から見て、明らかに性奴隷」であり、「日本政府が法的責任を負って被害者らに賠償すべき」という結論を下した。以来、幾多の国連人権委員会が日本政府に同様の勧告を行った。ところが、“人権問題”である慰安婦問題に“領土問題”を絡ませてしまうと、国際社会が慰安婦問題に効率的に介入することが難しくなり、この問題の解決に向けて努力している日本国内の微弱な市民社会の活動をも制約する結果をもたらす恐れがある。

 「独島少女像」が日本政府の態度を変えられるわけでもない。2012年8月、李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島を電撃訪問した後、結果的に日本国内の独島問題はさらに悪化した。李大統領の独島訪問後、日本は独島を国際司法裁判所(ICJ)に提訴するというカードを持ち出した。1965年の韓日協定以来、日本政府が韓国による独島の実効支配を変更しようとしたのは、当時が初めてだった。以来、日本政府は2014年には小学校、2015年には中学校、2016年には高校の歴史・地理教科書に「独島は日本固有の領土である。韓国が不法占拠している」という内容を盛り込んだ。2012年、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日中間の対立と李明博大統領の独島訪問が「韓国にも無視されている」という日本の右翼の感情を刺激し、その力が極右政治家の安倍晋三氏を再び首相に押し上げるのに大きな役割を果たした。

 ソウルの日本大使館前はハルモニ(おばあさん)たちが1300回近く水曜集会を開いた“歴史的”空間だ。この少女像が語っているのは“平和”である。独島の少女像は同じ意味で日本人たちに受け止められるだろうか。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/779270.html 韓国語原文入力:2017-01-18 16:53
訳H.J(1407字)

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