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[ニュース分析]12・28合意維持に必死な日本「両刃の剣」抜く

登録:2017-01-06 21:36 修正:2017-01-07 04:05
日本、突然の強硬措置、なぜ? 
菅官房長官、6日の記者会見で 
「合意履行必要」6回も言及 
韓国の少女像対応は今後の情勢の分岐点

 日本政府が6日、釜山の日本総領事館平和碑(少女像)事態に対して出した報復措置は非常に異例なものと判断される。少女像が設置されてわずか1週間で出された今回の措置に対しては、日本でも“強硬対応”という評価が出るほどの超強硬措置を繰り出したためだ。

 この措置を発表した菅義偉・官房長官の6日の記者会見内容を見れば、菅長官が強調したことは報復措置の内容ではなく、日本軍「慰安婦」問題に対する12・28合意を「履行するための韓国政府の努力」だった。発表の重心を日本の“報復”ではなく、韓国の“履行”に置いているわけだ。

 日本は朴槿恵(パク・クネ)大統領が弾劾の危機に陥った直後から、12・28合意の運命を憂慮して「韓国の内政に変化があろうが合意の履行には問題がないだろう」という見解を繰り返し明らかにした。しかし、韓国政府が先月30日に釜山少女像の設置を事実上容認する姿を見て、果敢な措置が必要だと判断したものと見られる。そうした意味で今回の措置は朴大統領を弾劾へ推し進めた韓国の“ろうそく集会の民心”により12・28合意が破棄される事態を何としても防ごうとする日本の先制措置と思われる。これには合意の廃棄、または再協議を公言している韓国の次期大統領候補群に向けた牽制の意味もある。

 しかし、今回の措置は日本にとって「両刃の剣」になるほかはない。今回の措置が韓国の世論を刺激して、両国関係が“破局”に達しかねないためだ。そうなれば、日本が長期にわたり精魂込めて締結した韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)はもちろん、12・28合意も事実上破棄の手順に入りかねない。これを意識したように、菅長官は「日本と韓国は言うまでもなく隣国で大変に重要な国家だ。そうした中で日本がこうした措置を取らざるを得なくなったことは非常に遺憾」とし、「国と国で約束したことは実行してほしいという強い思いだ」と韓国政府を批判した。

 菅長官は「今回の措置をいつまで持続するか」という質問に「状況を総合的に判断して対応していきたい」としつつも「今回また、釜山市に(少女像が)新たに立ったので、政府としては今回の措置を取った」と話した。韓国政府が日本の抗議を受け入れて、釜山少女像に対して納得できる措置を取る場合、今回の事態を早期に収拾するという意味だ。しかし、韓国政府が世論を無視して日本の要求を受け入れることが出来るかは不透明だ。日本のマスコミも日本政府の今回の措置で当分韓日関係の悪化は避けられないという悲観論を示している。

日本政府が少女像の設置に反発して、韓日通貨スワップ議論の中断と、駐韓日本大使と領事の召還などの強硬措置を相次いで出した6日午後、釜山東区草梁洞の日本領事館の前に設置された少女像の上に日章旗がはためいている=釜山/聯合ニュース

 今回の事態は日本が自ら招いたものという指摘も侮れない。この間、安倍晋三首相は12・28合意で明らかにした謝罪内容を自身の口で話してほしいという日本の議員の要求や韓国人被害者に謝罪の手紙を送ってほしいという韓日市民社会の要請に対し、「毛頭考えていない」としてはっきり断った経緯がある。そのために韓国では12・28合意に対して、慰安婦問題を“最終的かつ不可逆的”に封印し、慰安婦問題を歴史から消し去ろうとする“忘却の合意”という非難が続いてきた。韓国ギャラップの世論調査によれば、合意直後の昨年1月には12・28合意を日本の謝罪と見るという比率が19%だったが、9月には8%まで減った。

長嶺安政・駐韓日本大使が6日午後、ソウル外交部庁舎に入っている。ユン・ビョンセ外交部長官は釜山の日本総領事館前に新たに設置された慰安婦少女像問題で招致した/聯合ニュース

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/777697.html 韓国語原文入力:2017-01-06 18:11
訳J.S(1751字)

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