本文に移動

中国政府、米国の「中国役割論」に猛反発

登録:2016-09-13 01:23 修正:2016-09-13 06:47
中国外交部の華春瑩報道官=資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓米政府が北朝鮮核問題の解決策の黄金律と考える「中国役割論」、「中国責任論」に関し、中国が「北朝鮮核問題は米国のせい」と強く反発した。米国でも懐疑論が高まっている雰囲気だ。

 9日に起きた北朝鮮の5回目の核実験後、米国で「中国責任論」が取り上げられていることについて、中国外交部の華春瑩報道官は12日、定例ブリーフィングで「朝鮮(北朝鮮)核問題の由来と難点は中国ではなく米国にある。朝鮮核問題の実質は朝米の衝突」とし、「米国責任論」で応酬した。華報道官は「鈴をはずすには鈴をつけた人がいなければならない」とし、「米国は(朝鮮)半島の核問題の変化の過程を振り返り、実質的に有効な案を考えなければならない」と述べた。

 華報道官の発言は、アシュトン・カーター米国防長官が10日、記者団に「はっきり指摘したいことの一つは、中国の役割だ。中国はこうした(北朝鮮核問題の)進展と、これらを転換させられる重要な責任を共有する」と言ったことに対する対応だ。華報道官は同日、これに関連する質問を受け「(米国の責任を中国に『譲歩』する)カーターは過度に謙遜なようだ」と、遠まわしに不満を示した。

 中国が特定国家を挙げて、名指しすることはめったにないことだ。中国は南シナ海問題で米国と対立し、尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題で日本と対立しているが、「関連国家」などと遠まわしに表現する場合が多い。しかしこの日、華報道官は「米国」と明確に名指しし、「中国役割論」に対する不満の強さをうかがわせた。

 実際中国政府はこの日、対北朝鮮制裁を強化するという韓米の要求に事実上拒否の立場を明らかにした。華報道官は「単純で強力な圧迫は半島の核問題をより複雑によじれさせ、ついにはほどくことのできない状況にしかねない」とし、「対話を通じて関連各国の安全保障の関心がバランスを保って解決されるようにしなければならない」と強調した。これは中国が強調してきた「6カ国協議の再開」という方向性と変わりはない。

 これに先立ち、中国の環球時報は同日付の社説で「朝鮮核問題は朝鮮と米韓の間の問題であり、朝鮮以外に「責任を負うべき人」を探すとならばまず米国である」と主張した。社説は韓国についても「米国式思考に洗脳された」とし「制裁万能論」を批判した。他の記事でも環球時報は専門家の話を引用し、「(中国責任論は)本末転倒であり、中国に汚物を浴びせるもの」とし、「米韓の考えでは、中国が朝鮮に対し原油、エネルギーの供給および貿易取引を絶たなければならないということだが、これは非常に難しいことだ」と報道した。

 米国のニューヨークタイムズは10日付の社説や記事を通じて「中国役割論」について「中国が北朝鮮の経済活力を維持させようとして大きな穴を残したために」成功は難しいだろうと分析した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙も11日、「中国が北朝鮮を今以上に孤立させることは難しいだろう」と指摘した。

北京、ワシントン/キム・ウェヒョン、イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2016-09-12 21:14

https://www.hani.co.kr/arti/international/china/761182.html  訳M.C

関連記事