北朝鮮が4回目の核実験を断行してからわずか8カ月後の9日に5回目の核実験を実施したのは、「中国役割論」と「対北朝鮮制裁の強化」を柱とする韓米政府の対北朝鮮政策が失敗したことを端的に示すものだ。特に、開城工業団地の閉鎖と高高度防衛ミサイル(THAAD)早期配備など、強気の姿勢を示し、中国と北朝鮮に対する圧迫を先導した朴槿惠(パククネ)政権の対北朝鮮政策の失敗の責任がより大きいと見られる。
まず、韓米両政府が対北朝鮮政策の黄金律と見なしている「中国役割論」は、北朝鮮が交易の90%を依存している中国をして北朝鮮を圧迫させることで核の放棄を引き出すという論理だ。しかし、これは中国だけに一方的外交的損失を強要するという点で、成功の可能性が高くない政策だった。中国が原油供給の中止などをはじめ、強力な制裁を施行して「効果を発揮した」場合、北朝鮮の経済事情の悪化で脱北者が増加し、これは東北3省地域の不安定につながるのが目に見えているからだ。
しかも、韓米は中国役割論を唱えながらも、中国に北朝鮮と外交交渉を試みるテコは与えようとしなかった。この2月、中国の王毅外交部長がケリー米国務長官との会談で「非核化と平和協定交渉の同時推進」という、いわゆる「王毅構想」を提示したが、韓米両国政府は「先に非核化の協議」が必要と対抗し、これを事実上拒否した。このような状況で、7月に韓米がTHAAD配備の決定をしたことは、韓米が中国の対北朝鮮制裁への協力不足を理由に掲げている点で、「中国役割論」が失敗したことを自ら認めたものと言える。
中国役割論と密接に関係している北朝鮮制裁の強化も、「北朝鮮の核能力の増強」を防ぐという当初の政策目標を達成できなかったことが立証された。特に、韓国政府は今年2月、中国とロシアを強力な対北朝鮮制裁に参加させるとして、開城工業団地を一方的に閉鎖したが、今回の北朝鮮の5回目の核実験で「自虐的処置」に過ぎなかったことが明らかになった。
米国政府も今年6月、北朝鮮を主要マネーロンダリング憂慮対象国に指定し、7月には北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)労働党委員長を含む個人15人と機関8カ所に対する人権制裁措置を取るなど、圧力を強めてきた。
しかし、石油禁輸措置や金融取引の遮断など、イラン式モデルを借りた対北朝鮮制裁の強化は、初めから限界を持っていた。北朝鮮は、イランとは異なり、中国を除いては韓国や米国など制裁国との経済取引がほとんどなく、民主主義体制でもないため、制裁の苦痛による内部動揺の世論に火をつけることも困難であるからだ。
バラク・オバマ米大統領が8日(現地時間)、ラオスで開いた記者会見で「引き続き断固とした対北朝鮮圧迫を加えていく」としながらも、「圧迫が効果を発揮できる保証はあるのかと聞かれれば、それはない。しかし、それが今私たちが直ちにできる最良の選択肢」と述べたのは、米国が直面したこのようなジレンマを窺わせる。
韓国語原文入力: 2016-09-09 16:23