日本軍従軍慰安婦の被害者問題に関して、韓日両政府の昨年12月の合意に対する韓国国民の世論は、今年初めよりさらに強硬になっていることが分かった。世論調査会社の韓国ギャラップが8月30日から今月1日まで全国の成人男女1009人を対象に電話で調査して2日に発表したアンケート結果(標本誤差±3.1%)である。
調査によると、昨年末の合意で日本政府が慰安婦問題について「謝らなかったと思う」という回答は84%、「謝ったと思う」という回答は8%だった。ギャラップが今年1月初めに行った同様の調査では「日本政府は謝らなかった」という回答は72%、「謝った」という答は19%だったので、8カ月間に否定的な世論が増えたわけだ。これは日本が最近、元慰安婦のために韓国政府主導で設立した「和解・癒やし財団」に10億円を送金して、その性格は「賠償金でなく拠出金」として、公式謝罪をしなかったことに対して国民の反感が高まったものと分析される。
慰安婦問題は日本と再交渉すべきという意見も1月は58%だったが今回は63%に上がった。「再交渉してはならない」という答は同じ期間に28%から21%に減った。1月には再協議反対が優勢だったセヌリ党支持層(50%)と60代以上の層(52%)も、今回の調査では「再交渉すべき」という意見がそれぞれ48%(再協議反対33%)と39%(再協議反対32%)になっている。
「日本政府の合意履行の有無に関係なく少女像を移転してはならない」という答も1月の72%から今回は76%に増えた。その反面「日本が合意内容を履行するならば移転してもかまわない」という答は1月の17%から今回10%に減った。
ギャラップは 「韓国国民の、少女像移転、日本政府の態度、再協議に対する立場は、全般的に今年1月よりやや強硬になっている」として、「これは年末の合意後の8カ月間の過程に不満で、両国政府や民間次元で少女像の移転などがなされた場合には相当なあつれきがあることを推察させる」と明らかにした。
朴槿恵(パククネ)大統領の職務に対する肯定評価は一週間前と同じ30%だった。政党支持率はセヌリ党が一週間前より3%ポイント高い32%、共に民主党は2%ポイント減の24%、国民の党は先週と同じ12%。正義党は2ポイント減の3%を記録した。ギャラップは「セヌリ党の支持率は先週より上昇したものの、32%という値は8月のレベルであり大きな意味は見い出し難い」としている。また「共に民主党は6~8月の23~24%程度から、党大会(8・27)が迫った先週には26%に上昇したものの、その勢いは今週まで続かなかった」と付け加えている。
キム・ナムイル記者
韓国語原文登録:2016/09/02 11:23