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「ウガンダと北朝鮮の軍事協力中断」発表巡り外交混線

登録:2016-05-30 23:02 修正:2016-05-31 06:22
ウガンダ政府副報道官が韓国大統領府発表を否定 
韓国政府は「合意は事実」としたウガンダ外相の放送を配布
朴槿恵大統領(前列左)とウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領が29日(現地時間)、ウガンダの首都カンパラの大統領宮で開かれた公式歓迎式で両国の国旗に敬礼している=カンパラ/連合ニュース

 朴槿恵(パククネ)大統領の歴訪中、ウガンダが「北朝鮮との軍事協力中断」を宣言したとする韓国大統領府の発表に対し、ウガンダ内部で外交上の混線が生じた。ウガンダ政府の副報道官が外信を通じて韓国大統領府の発表内容を否定したが、ウガンダの外相が再び現地メディアに事実であることを確認する混乱が起きた。

 ウガンダ政府のシャバン・バンタリジャ副報道官は29日(韓国時刻)、AFP通信に「大統領がそうした指示を公開したことはない」として、ヨウェリ・ムセベニ大統領が北朝鮮との軍事協力の中断を指示したという韓国大統領府チョン・ヨングク報道官の発表に反論した。

 これに先だち、チョン報道官は「ムセベニ大統領が首脳会談の席で『北朝鮮との安全保障、軍事、警察分野での協力の中断など国連安保理制裁決議を忠実に履行するよう指示した』と話した」と発表した。

 シャバン・バンタリジャ副報道官は「それは事実ではない。宣伝に過ぎない」とし「たとえ大統領が(そうした指示を)下したとしても、それは公表するものではない。したがって、それは(韓国の発表は)事実ではなく、そうしたことは起きないだろう。それが国際政治の慣行」と説明した。

 この発言が問題になると、韓国外交部は大統領府の発表内容を認めるウガンダ外相の現地インタビュー放送を配布した。これによればサム・クテサ外相はウガンダ現地の放送NBSテレビのニュースで「国連(安保理決議2270号など)制裁に則り北朝鮮との協力を中断する」と述べ、「ウガンダは核の拡散に反対し、北朝鮮による核開発は世界にとって否定的であり核拡散禁止条約(NPT)違反」と明らかにした。

 韓国大統領府当局者は「ムセベニ大統領が首脳会談の席で北朝鮮との協力中断を話し、会談に同席したクテサ外相に『私たちが発表してもかまわないか』と尋ね確認を得て発表した」と説明した。韓国外交部関係者は「ウガンダの副報道官も外相の言及が政府の公式立場であるとして自分の誤りを認めた」と伝えた。

 AFP通信によれば、現在ウガンダでは数十人の北朝鮮軍が軍事訓練の教官として参加している。1986年に執権したムセベニ大統領は、北朝鮮を3回訪問し、当時の金日成(キムイルソン)主席に会うなど、北朝鮮とは長い友好関係を結んでいる。

 ムセベニ大統領はイディ・アミン前大統領の追放後、1986年から31年間にわたり執権している。2013年5月、朴槿恵大統領の就任後に外国首脳としては初めて韓国を訪問し、2014年の国連総会当時にもニューヨークで朴大統領と首脳会談をしたことがある。

チョン・ジョンユン、イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/745976.html 韓国語原文入力:2016-05-30 17:19
訳J.S(1402字)

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