大統領府が朴槿恵(パククネ)大統領のイラン国賓訪問で史上最大の42兆ウォン(約3億9000億円)規模の経済外交成果を出したと発表したが、大部分が拘束力のない了解覚書(MOU)などの水準であり、実際の契約までには道のりは遠いとの指摘がされている。大統領府はそれを知っていながら、受注の予想額をすべて合算して成果として掲げたのは“過大包装”に近い。
3日、大統領府が前日にまとめた「韓国・イランの首脳協議の経済分野の成果」のうち、建設プロジェクト30個(371億ドル)を合意水準別に見ると、了解覚書が最も多い13件。次に取引条件協定(MOA)4件、主な契約条件交渉3件、業務協力最高合意覚書(HOA)3件、仮契約2件、その他4件となっている。
国際的に通用する「優先交渉対象者の選定」ほどの比較的高い水準の合意とされる仮契約は2件のみで、ほとんどが了解覚書と取引条件協定などで占められている。しかし、了解覚書と取引条件協定は法的拘束力がない低い段階の合意で、実際の契約が実現するかは現時点で断定できない。また、業務協力最高合意覚書や主な契約条件交渉は、了解覚書よりも一段階進展した内容だが、本契約締結が保障されないのは同じだ。特に、大統領府が成果として掲げたプロジェクトの中には「交渉再開」(サウスパルス液化天然ガスプラント35億ドル)、「再推進」(現代尾浦造船船舶受注12億ドル)も1件ずつ含まれたが、これは成果の水増し用に合わせたものに近いという指摘もされている。
実績の水増しが目的でなくても、了解覚書はそれ自体の限界で、実際の事業に連結されていない場合が日常茶飯事だ。ある公企業は2010年以降37件の了解覚書を締結したが、現在まで契約締結につながったのは6件、事業が取り消されたのが5件、残りはまだ結論が出ていない。今回、イラン側と了解覚書を締結した他の公企業の関係者は「了解覚書は『これからうまくやっていこう』といったものだ。こうした合意書が実際の契約や事業につながるかは現段階では分からない」と話した。
受注額も多少誇張された可能性がある。大統領府は、プロジェクト別の受注額に該当事業の予想事業費総額を表明したが、実際の契約では国内会社の工事範囲や方式によって受注額が減る可能性があるためだ。ある大手建設会社の関係者は「韓国とイランの首脳会談をきっかけにして了解覚書を結んだことを受け、本契約に向けた有利な高地は先取りしたが、プロジェクト全てを受注できるかどうかは見守らなければならない」と話した。
了解覚書中心の経済外交成果の広報は、過去にも議論の対象になった。昨年、国会の資源外交国政調査特別委員会所属のチョン・チョンヒ新政治民主連合(当時)議員は、李明博(イミョンバク)政権が資源外交の成果だと誇った了解覚書96件のうち、本契約につながったのは16件に過ぎないと明らかにしている。昨年3月には朴大統領のサウジアラビア訪問と関連して、政府が広報した医薬品の輸出契約又は了解覚書の内容が誇張されたと問題になった。
アン・ジョンボム大統領府経済首席は3日、このような論争について「(今回発表したプロジェクトは)他のいかなる場合よりも具体的な規模と計画まで明示された点でかなり実現可能性が高いといえる」と述べた。アン首席は前日、保守的に業績をまとめたと説明していた。しかし「契約になっても破棄される場合があるように、すべての取引にはいつも危険の負担が存在する」とした。
韓国語原文入力:2016-05-03 21:20
韓国語原文入力:2016-05-03 21:20
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