登録 : 2016.04.18 00:23 修正 : 2016.04.19 04:32

日本の莫大なプルトニウムをめぐる議論

日本のプルトニウム保有の現況//ハンギョレ新聞社

60年前から「核燃料サイクル政策」 
高速増殖炉「もんじゅ」の開発事業は破綻 
核弾頭6千発分の47.8トン保有が「悩みの種」

 「核物質の最小化、適正管理という問題では、日本は『使用目的のないプルトニウムは保有しない』という原則を実践している」

 今月1日、米国ワシントンで開かれた核安全保障サミット。安倍晋三首相はこの日、サミットのオープニングセッションで日本が保有している膨大なプルトニウムに対する周辺国の疑いの視線を意識したかのように、こう言った。

 日本が保有している膨大なプルトニウムが北朝鮮の4回目の核実験後、東アジアで別の不安要因として浮上している。日本の内閣府が発表した昨年7月の資料によると、2014年末現在、日本が保有しているプルトニウムの量は47.8トンだ。核弾頭1機の製造に8キログラㇺのプルトニウムが必要とされるというから、6千機を作ることができる量だ。日本が「核は持たず、作らず、持ち込みも認めない」という、いわゆる「非核3原則」を守ってきた国であることを考えると、これは矛盾だ。

 日本はなぜこのように莫大なプルトニウムを保有することになったのだろうか。

 1956年以来、着実に進めてきた「核燃料サイクル政策」のためだ。この政策は、原子炉を稼動した後に発生する「使用済み核燃料」を再処理し、この際に発生するプルトニウムでウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)を製造してから、特殊な原子炉である高速増殖炉に入れて稼働する計画だ。高速増殖炉で「ウラン238」が中性子と核分裂する「プルトニウム239」に変わる。高速増殖炉と呼ばれる「夢の原子炉」を通じて、燃料を消費する前に比べてより効率の良い燃料が生産されるということだ。これにより、追加のエネルギーを投入することなく、永遠に電気を生産できることになる。

 日本はこの計画を実現するために、2018年上半期の完工を目標に、青森県六ヶ所村に再処理工場を建設している。また、福井県敦賀市には「もんじゅ」という高速増殖炉の実証炉も作った。日本がプルトニウムを保有するのは、核兵器の製造ではなく、核の平和的利用のためという論理が生まれたのだ。

 プルトニウムは、存在自体が周辺国を脅かす物質だ。そのため、政策を実行するには米国の同意が必要だった。日本は、1982年から6年間にわたり、日米原子力協定改正の交渉を行い、米国から使用済み核燃料の再処理など、核活動に対する「包括的(事前)同意」を引きだした。当時の交渉に参加した遠藤哲也・元原子力委員会委員長代理は著書の『日米原子力協定の成立経緯と今後の問題点』(2014年)で、ロナルド・レーガン米大統領と中曽根康弘首相など、両国首脳の深い信頼、日本の核政策の透明性などが認められ、包括的同意を認めてもらうのに成功したと主張している。韓国も2013年から2年間に渡り、米国と同じ交渉を進めたが、日本のように再処理権限を引きだすことはできなかった。米国が核兵器の非保有国に再処理の権限を認めたのは、日本が唯一だ。

「再処理権限を保障」する米日原子力協定
2018年7月に期限
東アジアの不安要因として浮上

 しかし、時間の経過と共に、日米原子力協定の根幹を揺るがす変化が起こり始めた。日本政府が進めてきた高速増殖炉もんじゅの開発事業が事実上破綻に至ったのだ。このような状況では、六ヶ所再処理工場まで稼動を始めると、日本には使い道のないプルトニウムが毎年8トンずつ新たに蓄積されることになる。これを認識したように、トーマス・カントリーマン米国務省国際安全保障・不拡散担当次官補は先月17日、上院外交委員会で「(日本の)再処理事業は経済的合理性がなく、核の安全保障と不拡散政策に懸念を抱かれている。 (再処理から)撤退するのが望ましい」と述べた。

 日本の再処理権限を保障する日米日原子力協定は、2018年7月に有効期間(30年)を迎える。遠藤元委員長代理は昨年11月に発表した別の論文(「日米原子力協定と日本の行うべき政策」)で、「日米原子力協定がどのような方向で決着をみるかは、最終的には2017年に成立する米国の新政権に委ねられていると見られる。米国は、日本が核武装に向かうとは思っていないが、日本にこのようなプルトニウムの保有を認めることは、他国に対して非常に悪い先例になり、また核セキュリティー(核テロ)上も大いに問題であると深刻な懸念を抱いている」と指摘した。実際、米国では先月22日、冷戦時期、米国などが提供した研究用プルトニウム331キログラムを船便で日本から回収し、今月1日には京都の大学が保管している研究用高濃縮ウラン45キログラムも返還させる計画を明らかにした。

 日米原子力協定の運命はどうなるだろうか。日本のプルトニウムは、既に中国を刺激しており、韓国の核武装論を煽る地域の不安要因として浮上している。また、米国が精力的に推進している核の不拡散政策との両立も難しい。

 これに対抗し、日本は集団的自衛権の行使を通じて強化された日米同盟の重要性を掲げ、再処理の権限を維持するために必死の努力を傾けると予想される。権限がとりあげられる場合は「グローバル同盟」に強化した日米同盟が打撃を受けることになり、維持される場合は、韓中を刺激して予期せぬ複数の連鎖作用が発生する可能性もある。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-04-17 20:20

http://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/740116.html訳H.J

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