日本の海上自衛隊が強力な対潜水艦哨戒能力を備えた大型護衛艦(実際は軽航空母艦) 「いせ」を南シナ海に派遣すると公式発表した。 インドネシア海軍が主導する人道目的の訓練に参加するという名分だが、南シナ海を巡る米日同盟の圧迫に神経過敏になっている中国を一層刺激するものと見られる。
日本の海上幕僚監部(韓国の海軍参謀本部に相当)は5日、自衛隊の護衛艦「いせ」をインドネシア海軍が主管する多国籍連合訓練「コモド2016」とインドネシア海軍の観艦式に派遣すると明らかにした。 今回の訓練は人道支援・災害救助などを目的に12日からインドネシアのパダン周辺海域で行われる。 この過程で「いせ」は中国と南シナ海で領有権紛争中のフィリピンのスービック港に寄港することになると、読売新聞など日本のメディアが伝えた。
「いせ」の南シナ海派遣が注目を集めるのは、この船の独特な特性のためだ。 「いせ」は全長197メートル、幅員33メートルの大型艦(基準排水量1万3千950トン)で、海上自衛隊では「いずも」(1万9千500トン)に次ぐ。 さらにこの船は敵の潜水艦を追跡できる対潜水艦ヘリコプターSH60J・K(シーホーク)を最大11機搭載でき、4機を同時に運用できる。 日本のメディアはこの船を海上自衛隊内で「最高水準の対潜水艦能力を誇る」艦船として挙げている。
米国は水深の深い南シナ海を経て西太平洋に進む中国潜水艦を追跡することに頭を痛めている。 そこで米国が集団的自衛権を行使できるようになった日本に対して最初に要請した事案が、広い南シナ海の対潜水艦哨戒活動の分担だった。 日本はこれまで「沖縄の那覇海上自衛隊基地から南シナ海までは2千キロメートルを超える」という理由で慎重論を維持してきた。 実際、自衛隊の主力哨戒機であるP3CとP1の航続距離はそれぞれ6千600キロメートルと8千キロメートルであり、南シナ海で円滑に作戦を遂行することは難しい。 しかし「いせ」や「いずも」級の軽空母が南シナ海に配置されれば、このような問題を一挙に解消できる。
「いせ」のもう一つの特徴は、甲板に大きな負担を与える垂直離着陸機の着発が可能という点だ。 これは米日同盟に非常事態が起きる場合、「いせ」を航空母艦として米海兵隊の輸送機MV22(オスプレイ)と次世代主力機F35Bが運用される可能性があることを意味する。「いせ」を媒介に米日の武力行使が文字通り一体化できるようになったわけだ。