中国の“日本通”として知られる武大偉・朝鮮半島事務特別代表が4日、日本を電撃訪問し、その背景に関心が集まっている。
中国の6カ国協議首席代表を務める武特別代表は5日、日本側の首席代表である石兼公博アジア大洋州局長と会い、北朝鮮核問題など両国間の懸案について意見を交わした。 日本外務省はこの日の会談の直後に「北朝鮮の核と弾道ミサイル発射への対応を含め、朝鮮半島問題に対する対処と最近の朝鮮半島情勢などに関して意見を交わし、安保理決議などの厳格履行などに(中日が)緊密に連帯して行くことで意見を集約した」と明らかにした。
武特別代表は会談直後、「南シナ海問題も話し合われたか」との取材陣の質問に対し「日本は(南シナ海)問題の当事者ではない。(それは)私が担当する問題ではない」と即答を避けた。 日本外務省側もこの日の会談で南シナ海問題は議論されなかったと明らかにした。 しかし「南シナ海は日本と関係ない」という武大偉代表の発言は、中国の南シナ海領有権強化を批判する日本を牽制する発言と見られ注目される。
武特別代表は8日まで日本に留まり、岸田文雄外相、中日関係の局面ごとに「特使」の役割を果してきた福田康夫元首相、自民党の谷垣禎一幹事長、連立与党である公明党の山口那津男代表らと相次いで会談する。NHK放送は「10日から開かれる主要7カ国(G7)外相会議で南シナ海問題が大きく扱われないよう牽制する目的ではないか」という見方を示した。