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米国務省次官補「北朝鮮崩壊が米国の戦略ではない」

登録:2016-03-28 00:30 修正:2016-03-28 06:56
「韓国中心」の朝鮮半島統一の立場を確認 
ダニエル・ラッセル米国務省東アジア太平洋担当次官補//ハンギョレ新聞社

「中国も本音ではその案に同意するだろう」 
「北朝鮮が核問題の交渉に乗り出すべき」 
北朝鮮の核開発中断での“中国役割論”を重ねて強調

 ダニエル・ラッセル米国務省東アジア太平洋担当次官補が対北朝鮮戦略と関連し、「北朝鮮を崩壊させることは、私たち(米国)の戦略ではない。もし私たちが北朝鮮の崩壊を戦略としているなら、その対応は大幅に変わっただろう」と明らかにした。しかし、ラッセル次官補は「朝鮮半島が平和的に統一されたとしても、韓国とかなり類似している方が、私たちとしてはより好ましい面がある」と述べた。これは、“韓国中心”の朝鮮半島統一に対する従来の韓米の立場を再確認したものだ。

 ラッセル次官補は22日、ドイツのベルリンにあるヘルティー公共政策学校で「アジア再均衡」政策と関連した講義をした後、参加者との質疑応答でこう述べたと、米国の政治外交専門情報誌の『ネルソンレポート』が2日に報じた。

 「北朝鮮崩壊戦略」はないというラッセル次官補の発言は、北朝鮮に向けた対話再開の信号として捉えられる余地もある。しかし、彼がまもなく「韓国と類似した統一された朝鮮半島」に言及したことから、この発言で(米政府が)対話再開のための伏線を張ったとは見難い。

 韓米は2009年サミットで採択された「韓米同盟の共同ビジョン」で「自由民主主義と市場経済に立脚した朝鮮半島の統一」を宣言した後に、同じ立場を維持しており、北朝鮮はこれが事実上の吸収統一を追求するものだとして反発してきた。ラッセル次官補の発言は、この「韓米共同ビジョン」の延長線上にある。ラッセル次官補はまた、韓国中心の統一について「中国も大きな声で言えないかも知れないが、韓中の友好関係を考えると、本音ではそのような方法に同意するだろう」と主張した。

 また、ラッセル次官補は「(北朝鮮の非核化を達成するための)唯一の平和的な方法は、北朝鮮が核問題をめぐり、信頼できる交渉過程に入ること」とした上で、「米国と中国は、この点において完全に意見の一致を見ている」と明らかにした。彼は「中国が金正恩(キムジョンウン)政権の考えを変えられるテコを見つけ、北朝鮮が核プログラムの中断と除去のための交渉に出てくるようにすれば、朝鮮半島に平和が訪れるだろう」と“中国役割論”を重ねて強調した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-03-27 20:08

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/737056.html 訳H.J

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