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朴大統領、演説で初めて北朝鮮政権の「暴政」に言及

登録:2016-03-03 23:36 修正:2016-03-04 07:20
独自の北朝鮮制裁を来週発表 
朴槿恵大統領が3日午前、ソウル三成洞のコエックスで開かれた第48回国家朝食祈祷会に出席して挨拶をしている//ハンギョレ新聞社

対北朝鮮圧迫カード枯渇で苦悩 
羅津港、ロシア産有煙炭禁輸の公算 
プーチンと結んだ 
「羅津・ハサン・プロジェクト」に飛び火

 国連安全保障理事会(安保理)の北朝鮮制裁決議2270号が採択された直後の3日、朴槿恵(パククネ)大統領は「北朝鮮政権が暴政を中止するように」すると一層強い圧迫を強調した。 韓国政府は独自の北朝鮮制裁方案も用意している。 来週にも首相室傘下の国務調整室で発表する予定だが、5・24北朝鮮制裁措置と開城(ケソン)工業団地閉鎖で北朝鮮圧迫用のカードを使い果たしてしまったために、これといった実効的制裁手段がないため苦悩しているという。

 朴大統領はこの日午前、ソウル三成洞のコエックスで開かれた第48回国家朝食祈祷会で、「政府は北朝鮮の政権が無謀な核開発を放棄し、北の同胞の自由と人権を抑圧する暴政を中止するよう世界と協力して努力する」と述べた。 朴大統領は公開演説で初めて「暴政」という単語を使い、北朝鮮が敏感に反応する「人権問題」を挙げた。 「北朝鮮崩壊論」に基づく超強硬な対北朝鮮基調を繰り返し確認したのだ。

 韓国政府は「開城工業団地全面中断」以後、安保理の北朝鮮制裁決議採択後に取りうる独自制裁を検討してきた。 問題はこれといった制裁手段がないことにある。 李明博(イミョンバク)政権時の2008年に金剛山(クムガンサン)観光は中断され、2010年の5.24北朝鮮制裁措置で、北朝鮮船舶の韓国側海域運航の全面不許可、南北交易中断、対北朝鮮新規投資禁止、対北朝鮮支援事業保留などが実施された。 先月11日に開城工業団地まで閉鎖され、南北間のすべての交流と対話の窓口が断絶した。 経済制裁手段が残っていないのみならず、中断させる人道的交流すらない。

 このような事情もあり韓国政府が検討してきた独自制裁方案は、5.24北朝鮮制裁措置の「厳格な適用」と対北朝鮮物資搬出の統制強化になると発表された。 北朝鮮の4回目の核実験以後、すべての南北交流・協力が中断されており、既存措置の厳格適用と強化は事実上、実効性がない。 その他、北朝鮮に寄港した第3国船舶の入港禁止などの海運制裁を追加すると伝えられているが、これはすでに施行中の制裁措置と大きく変わらない。 5.24措置には「第3国の船舶が北朝鮮に寄港してから6カ月以内に韓国内の港に入る際は承認を受けなければならない」という制限規定が既にある。 政府はこれまで、状況に応じて例外を認めてきたが、これを厳格に適用すれば禁止措置と同じになる。

 これに伴う影響は、主に2013年11月に朴大統領とロシアのプーチン大統領が了解覚書を結んだ南北ロ3国協力事業の「羅津(ナジン)・ハサン・プロジェクト」が受けると見られる。 同事業に対する5.24措置の例外適用が難しくなり、ロシア産有煙炭を北朝鮮の羅津港を経て貨物船で韓国に持ってくることが不可能になる。 政府当局者は「(国連安保理の)国際制裁と(韓国政府の)追加措置をリンクして検討される」とし、独自制裁にこのプロジェクトに関連した内容が含まれる可能性を明らかにした。

 韓国外交部のチョ・ジュンヒョク報道官はこの日、「(韓国政府の)独自制裁問題は首相室傘下の国務調整室の主宰で検討が進行中」と話した。 政府当局者は「早ければ来週にも独自制裁内容が発表されるだろう」と伝えた。

キム・ジンチョル、チェ・ヘジョン、イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/733224.html 韓国語原文入力:2016-03-03 19:38
訳J.S(1585字)

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