国連安全保障理事会(安保理)による北朝鮮制裁決議2270号の採択に対し、北朝鮮は4日午後に異例の「政府報道官声明」と「外務省報道官談話」を同時に発表して強く反発し、抽象的な表現を使って追加の核実験やロケット発射の可能性を明らかにした。
北朝鮮官営の朝鮮中央通信がこの日午後に報道した外務省報道官談話は、「核抑止力強化は米国の敵視政策が続く限り進行されなければならない自衛権の行使であり、衛星の発射は永遠に続けなければならない主権国家の合法的権利に基づく宇宙開発事業」とし「遠からず世界は、我々の並進路線が輝かしく貫徹される路線上にある多くの措置と行動を目撃することになるだろう」と明らかにした。 追加の核実験やロケット発射の可能性を示したものとみられる。
北朝鮮政府の報道官声明は、「自衛的核抑止力を一層強化していく」としながら、特に「米国をはじめとする大国とその追従勢力が我々の自主権と生存権を露骨に踏みにじる段階に入った以上、我々の断固たる対応が続くことになるだろう。 我々の対応には強力で無慈悲な物理的対応を含む種々の手段と方法が総動員されるだろう」と明らかにした。 「大国」という言及を通じて中国やロシアまで非難し、軍事的手段の活用も辞さないと主張したのだ。
「核は自衛権、衛星発射は合法的権利
自主権を踏みにじればすべての手段を総動員」
金正恩、新型ロケット砲射撃を現場指導
「先制攻撃」で対南戦術の変化を強調
一方、この日の労働新聞は、金正恩(キムジョンウン)第1書記が「新型大口径ロケット砲試験射撃」を現地指導し「今後、敵に対する我々の軍事的対応方式を先制攻撃的な方式に全て転換させるだろう」と述べたと報じた。 北朝鮮軍が3日、東海海上に6発発射した短距離J飛翔体は、このロケット砲であると推定される。 軍事対応方式転換の理由としては「敵の“斬首作戦”と“体制崩壊”」の動きを挙げた。 韓米両国は7日からキーリゾルブ・トクスリ(鷲)演習を始める。
これは北朝鮮軍の「軍事戦術の変化」を意味すると考えられる。 軍事専門家のキム・ドンヨプ慶南大教授は「北朝鮮は最近1年余りは防御的次元の戦術を採択していたが、韓米連合軍の斬首作戦やキルチェーンのような先制攻撃作戦に正面から対抗する次元で先制攻撃方式へ戦術が変化したと見られる」と指摘した。 北朝鮮の「新型大口径ロケット砲」も先制攻撃用戦術兵器だ。 労働新聞は「南朝鮮作戦地帯内の主要打撃対象を射程圏内に置く精密誘導システムを備えた先端長距離大口径ロケット砲システム」と報じた。 この武器はまだ実戦配備されていない。 キム・ドンヨプ教授は「(北朝鮮側の)先制攻撃と関連した核心兵器はロケット砲」とし「韓国と米国に先制攻撃の動きがあれば、すぐに攻撃に出るという意味であり、現在の飛行距離100~150キロメートルのロケット砲水準では平沢(ピョンテク)基地まで射程圏内に入る」と話した。
金第1書記はまた「国家防衛のために実戦配備された核弾頭を、いつでも撃てるよう常時的に準備しなければならない」とも述べた。 しかし専門家たちは、北朝鮮がまだ核兵器を実戦配備する水準には至っていないとし、5月の党大会を控えて内部政治効果を狙った「誇張語法」と評価した。
一方、北朝鮮の対南機構である祖国平和統一委員会もこの日、声明を通じて、北朝鮮人権法とテロ防止法制定に対して「重大な挑発であり反民族的特大型犯罪」として「全面挑発を仕掛けてきた以上、断固として徹底した対応措置に進入することになるだろう」と明らかにした。