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安保法制を強硬採決…野党「民主主義が死んだ」

登録:2015-09-17 22:55 修正:2015-09-18 07:07
日本の連立与党である自民・公明両党の議員が17日、参議院特別委で民主・維新・共産党など大多数の野党議員が表決に反対する中で自衛隊法改正案をはじめとする11の安保関連法制改定案を表決処理した。小委員長を囲んで与野党の議員がもみ合っている=東京/EPA・聯合ニュース

委員長不信任案を否決した直後
野党が油断した隙に“電光石火”で敢行
議場は怒声と小競合いで修羅場
東京では豪雨の中で反対集会
法案処理後、景気浮揚策に集中
安倍政権、国民の関心を分散させる狙い

 17日午後4時、安倍晋三日本首相がゴリ押しする安保法制の制改定案を阻止するため、民主党など野党が提出した鴻池祥肇特別委員会委員長(77)に対する不信任案が否決された直後だった。 否決決定を受けた鴻池委員長が再び委員長席に座ると、自民党議員らが電光石火のように彼の周辺を囲んだ。 虚を突かれた野党議員が委員長席周辺に駆け寄ったが力不足だった。

 以後、怒声と小競り合いの激しい混乱が続いた。 鳩山政権で防衛相を務めた経験から今回の法案阻止のため努力してきた北澤俊美議員(民主党)は茫然自失した表情で委員長席を眺め、山本太郎議員(生活の党)は「自民党が死んだ日」と書かれた紙の横断幕を持った。 混乱が収まると、NHK放送を通じて「法案がたった今、特別委を通過した」という速報が流れた。 今回の強行採決を主導した自民党の佐藤正久議員は「このような形で可決されたが,この法案は国民の生命と命を守るために絶対に必要なもの」と話した。

 しかし、法案に対する国民の反対は時間が経つほどますます明確になっている。 豪雨のこの日、東京の街頭では安保法制に反対する日本市民の集会が続いた。 日本の市民たちがこの法案に反対する最大の理由は、法案自体の欠陥のためだ。

 安倍政権はこの間、集団的自衛権行使の具体的な例として「ホルムズ海峡の機雷除去」と「日本人が乗っている米国艦船の防御」という2点を挙げてきた。 安倍首相はこれを強調するために、日本人の子供を抱いた母親が米軍艦船に乗って紛争国から避難する絵を持ち出して、集団的自衛権の必要性を訴えた。

 しかし、国会審議を通じて安倍首相が掲げた具体的な例示はすでに破綻した状況だ。 これを象徴するように、安倍首相は11日の参議院特別委員会では日本人が乗っている米艦船を防御するために集団的自衛権が必要だという論理を自ら否定して、「日本人が乗っていない米艦船も当然に守るだろう」と述べた。 また、14日にはイラン核問題が解決されたという事実を受け入れ、「今の国際情勢に照らしてみる時、(ホルムズ海峡封鎖が)現実の問題として発生することを具体的に想定しているわけではない」と一歩後退しなければならなかった。 日本が集団的自衛権を行使して解決しなければならない事例がすでになくなっているわけだ。

 日本の市民たちは、憲法学者の90%が違憲だと主張し、国民の60~70%が反対している法案を強行採決させようとする安倍政権の姿に、立憲民主主義の危機を痛感している。 日本市民は前日にも国会前に集まって翌日未明まで「戦争法案反対」「勝手に決めるな」等のスローガンを叫んだ。 安倍首相は安保法案を通過させた後、9月末からは限界に直面した“アベノミクス”を補完できる景気浮揚策に集中し、国民の関心を分散させる計画だ。 今回の強行処理を通じて安倍政権の支持率は急落すると見られるが、来夏に行われる参議院選挙まではまだ時間が相当に残っている。

 安倍政権が参議院本会議を通じて今回の法案を最終通過させるならば、日本は戦後70年ぶりに再び“戦争できる国”として新たに乗り出すことになる。 特別委の強行採決がなされた後、福山哲郎民主党議員は怒りに満ちた表情で「委員長が何といったのか全く聞こえなかった。 何人が賛成したのかも分からない。 このような可決は認められない。 これが可決ならば、民主主義は死んだ」と訴えた。 日本の市民たちはこのメッセージをSNSを通じて伝え始めた。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/709446.html 韓国語原文入力:2015-09-17 21:04
訳J.S(1849字)

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