「安倍はやめろ!」「ファシストはいらない!」
30日午後、霧雨が降る東京・千代田区の国会議事堂前に数えきれないほどの人波が押し寄せた。東京メトロ永田町駅の1番出口から始まった行列は、南側に参議院会館と衆議院第1、2ホールを取り囲んでから、首相官邸の前で東側に曲がり、再び国会正門に向かって北上を始めた。巨大な国会議事堂の建物が集団的自衛権の行使を骨子とした安保法制制・改定案に反対する市民たちの叫び声で、文字通り包囲された。国会を包囲した市民たちは「戦争させない」「安倍政権退陣」などのスローガンを叫び続けた。
国会の顔とも言える、国土交通省の建物から国会正門に向かう主要道路まで占拠した市民たちは「安倍はやめろ!」と書かれた大型横断幕を、黒と白の風船に吊るして空に飛ばした。ある市民が演壇に上がり「私たち皆が力を合わせれば、安倍政権を倒せるという確信を持って戦っていく」と話し、憲政記念館前の道路を走っていたタクシーの運転手と乗客は、集会に参加した市民たちに向かってクラクションを鳴らしながら手を振っていた。
この日開かれた「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動」は、安倍政権の安保法制制・改定案に命がけで反対してき日本の市民社会の力を総集結した集会だった。この日の集会を企画した「総がかり行動実行委員会」は、29日付の赤旗のインタビューで「(集会に参加するという)電話をかけてきた人数を把握し切れないほどだ。『50年ぶりに(集会に)参加する』という人もいた」と語った。この日の行事には、日本の市民約12万人が参加したと集計された。
今回の集会を起点にこれから9月の1カ月が、狭くは安倍政権の命運、長くは戦後70年間続いてきた日本の安全保障政策を決める分岐点になる見込みだ。
まず、自民党と公明党の連立与党は9月27日に終わる今回の定期国会の会期中に安保法制の制・改定案の最終通過と関連した決断を下すものと見られる。注目すべきなのは、日本の国会法で定められた「60日ルール」だ。連立与党は、参議院で60日以内に安保法制の結論が出ない場合、否決されたものと見做し、再び衆議院に法案を持ってきて、3分の2の賛成で通過させる「60日ルール」を選択する可能性がある。 60日ルールが発動される時点は9月14日だ。これと関連し、佐藤勉・自民党国会対策委員長(衆議院)は28日、「(60日ルールの適用のための)準備作業を始める」と述べた。
それから、安倍晋三首相の無投票再選が確実とされている自民党総裁選挙が20日(選挙運動は8日から)に実施される。安倍政権は9月下旬から消費不振と中国発の悪材料などで限界に直面した「アベノミクス」の危機を打破するために、経済的な問題に焦点を当てて長期執権のための準備に突入するという計画だ。
残りの問題は、日本の野党と市民たちの対応だ。岡田克也・民主党代表はこの日の集会で「憲法違反の安全保障法制を通すわけにはいかない。力を合わせて国会の中で結束して頑張っていく。 厳しい戦いだが、断固戦いぬいて、10年、20年経ってあの時あなたは何をしていたのかと言われないよう、私たちも徹底的にがんばる」と述べた。可能性は高くないが、野党が市民の強い反対世論を力にして法案廃止に成功すれば、安倍内閣は一気に解散の危機に追い込まれるかもしれない。
韓国語原文入力:2015-08-30 20:28