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[インタビュー]安倍首相は過去を語りながら過去から目を背けた

登録:2015-08-16 21:56 修正:2015-08-17 07:54
 北東アジア専門家のコネチカット大アレクシス・ダデン教授

 過去の歴史を歪曲しようとする安倍政権の試みに反対し、今年2月、米国の歴史学者たちによる集団声明を主導したコネチカット大学のアレクシス・ダデン教授は15日、安倍談話に関連するハンギョレとの電子メールインタビューで、「安倍晋三首相は過去を語りながら過去から目を背けた」と批判した。

 「日本はこれ以上の謝罪は不要」としたが
 被害者が受け入れなければ、謝罪は終わらない

 安倍首相と側近たちの見解が
 中国の「反日民族主義」を刺激する点を
 米国が十分に理解すべき

コネチカット大学のアレクシス・ダデン教授 //ハンギョレ新聞社

 まず、ダデン教授は安倍談話が「全体的に多くのことを語ったが、いずれも十分ではない」とし「談話文を注意深く分析してみると、批判的な問題提起や(他の国と間で)不快な関係につながる素地がある」と述べた。ダデン教授はその一例として、「安倍首相と側近たちが韓国の植民地支配について謝罪しなかったこと」を挙げた。

 特にダデン教授は、安倍首相が歴代内閣の謝罪だけを取り上げた点を批判した。「歴代の日本政府が『心からのおわび』をしたとしても、15日午前に行われた閣僚たちの靖国神社参拝からもわかるように、安倍首相の世界観とそれを支持する日本の指導層の行動が、(隣国に)十分な信頼を与えていない」とし、安倍政権自らの謝罪が必要であることを明確に指摘した。

 ダデン教授は「(安倍談話は)日本はこれ以上謝罪する必要がないという立場を示した」とし「被害者が謝罪を十分に受け入れない限り、謝罪を終わらせることはできない」と強調した。彼女は「ドイツの指導者たちが『ナチスがやったことについて、私たちはこれ以上謝罪する必要はない』と宣言したとしよう。これはあり得ないことではないか」と指摘した。

 安倍談話が露日戦争について「植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた」と評価した部分についても、「うんざりするほど現実からかけ離れている(disgusting and surreal)」とし、強く批判した。ダデン教授は「安倍首相は露日戦争の結果として、韓国がどのようにして(植民地化)されたのかを知らないようだ」とし「韓国に対する暴力的かつ野蛮な植民地支配が露日戦争の結果としてもたらされたという事実を、米国内の安倍支持者らも気にせざるを得ないだろう」と話した。

 中国を牽制するために、韓国と日本が過去には“目をつぶって”協力しなければならないという、米国内の主流的見解については、「笑える話」だとし、「米国は安倍首相と側近たちの見解が、北東アジア地域を不安定にさせるかもしれない中国の危険な反日民族主義に油を注いでいるということを、十分に理解すべきだ」と懸念を示した。ダデン教授は、米国のシカゴ大学出身で、米国の代表的な北東アジア歴史の専門家として知られる。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-16 20:20

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/704646.html  訳H.J

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