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米中の専門家が朝鮮半島での軍事衝突に懸念

登録:2015-08-22 00:34 修正:2015-08-22 05:49
米国「小規模接戦もある」、中国「衝突拡大の可能性は低い」
21日午後、ソウル駅で軍人が北朝鮮による漣川郡砲撃のニュースを見ている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 米国と中国の専門家は21日、朝鮮半島での局地的な追加衝突の可能性に対して懸念を示し、南北が緊張を和らげるための措置を取るべきだと指摘した。

 ブルース・クリングナー米国ヘリテージ財団上席研究員は、「今のように緊張が高まっている状況で、別の事件が発生した場合、朝鮮半島で軍事的衝突が起きる可能性がある」とし「全面戦争にはならないだろうが、戦術レベルで小規模の接戦が発生する可能性は高い」と述べた。その原因としてクリングナー上席研究員は、南北が“強対強”に突き進む対決構造を挙げた。同研究院は「朴槿恵(パク・クネ)大統領は、北朝鮮の挑発に断固として対応するように軍を奨励しており、非武装地帯や西海(黄海)側の軍事的衝突の可能性を高めている」とし「北朝鮮は戦略的対話をしようという韓米の要求を断り続けている」と指摘した。マンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ代表も同日、ハンギョレとの電子メールインタビューで 「ミサイルや核実験などを含む北朝鮮による追加挑発の可能性がある」と予想した。

 中国側の北朝鮮専門家は、さらなる武力衝突の可能性は高くないと予想した。呂超・遼寧省社会科学院韓国・北朝鮮研究センター主任は「情況からして、北朝鮮がわざわざ木箱地雷を埋設したようには見えないが、韓国は兵士が負傷しており、対北放送を再開した」とし「しかし、全体的には、衝突が拡大する可能性はあまりない」と述べた。呂主任は、その根拠に死傷者が発生しないように両方が砲射撃を行った点や、現在朝鮮半島で軍事演習の乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)が行われている点、北朝鮮が9月9日の政権樹立日と10月10日の朝鮮労働党創立記念日などの主要行事を控えている点、9月3日の中国の抗日半ファシスト戦争勝利70周年記念行事が差し迫った状況を挙げた。中国社会科学院の朝鮮半島問題専門家である王俊生研究員は、「南北ともに全面戦争は望んでおらず、大小にかかわらず、衝突の可能性は低いものと見られる」とし「今回の事件では、あまり意味のない対北宣伝放送を再開した韓国側に、より大きな責任があると思われる」と述べた。

 しかし、北京大学の金景一教授は、「対北拡声器放送を中断させるという北朝鮮の意志が強いだけに、韓国が強対強の対決に突き進む場合、北朝鮮が一部の地域に照準打撃を加える可能性もある」と述べた。

 米国と中国の専門家は口を揃えて、対話と緊張緩和のための措置を行わなければならないと指摘した。米国務省の東アジア太平洋担当の首席副次官補を務めたエヴァンズ・リヴィア・ブルッキングス研究所上席研究員は、「当事国が危機を減らすための方法を静かに模索しなければならない」とし「国連軍司令部が提案した、将官級軍事会談を北朝鮮が受け入れたのも一つの方法になるだろう」と述べた。ジャヌージ・マンスフィールド財団代表も「韓米が断固とした対応を取るとともに、解決策も提示すべきだ」と指摘した。

 中国の呂主任と王研究員は、「まず韓国が対北朝鮮拡声器放送を中止して自制すれば、事態がこれ以上大きくなることはないだろう」と述べた。

ワシントン、北京/イ・ヨンイン、ソン・ヨンチョル特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-21 20:09

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/705487.html  訳H.J

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