10日、鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原子力発電所正門前。35度を超える焼き付けるような陽射しの下、川内原発1号機の再稼働に反対する市民数百人が集まった。この日の集会には2011年の3・11福島事故を直接経験し、その後「2030年までに原発依存比率を“ゼロ”にする」方針を決めた菅直人元首相も参加した。菅元首相は「現在の状態で再稼働に固執する安倍首相は亡国の首相」と声を高めた。この日、別の市民の会は福岡市の九州電力本社前で反対集会を続け、前日の9日にも原発付近の久見崎海岸に2000人の市民が集まり「民意を無視した再稼働は容認できない」と訴えた。
反対が57%…市民反核デモ相次ぐ
日本政府、他の原発も順次再稼働
安倍「新規制に従い安全最優先」
11日に予定された川内原発1号機の再稼働は、3・11以後4年間続いてきた日本政府と日本の脱核勢力間の長い戦いの分岐点になる。 3・11事故後、日本では福井県大飯原発3・4号機が1年2カ月程度再稼働されたことがある。しかし、当時の再稼働は3・11後に新しく作られた「新規制基準」に伴う再稼働ではなかったため、ほどなく稼働が中断された。
日本政府は今回、新規制基準を通過した初の原発となる川内原発を再稼働させた後、現在審査を受けている他の原発も次々と再稼働させる方針だ。 3・11事故を体験した日本が、4年ぶりに本格的に再び原発に依存する国になる。
安倍政権の原発政策の大きな枠組みが確定したのは昨年4月だった。当時、日本政府は「エネルギー基本計画」を確定し、原子力を「エネルギー需給構造の安定に寄与する重要な“ベース”(天候や季節に関係なく電力の一定部分を担当する基礎)電源」と表現し、今後も原発に依存して行く方針を定めた。以後、今年7月には2030年に日本社会が火力、水力、原子力、再生可能エネルギーにどの程度依存すべきかを定めた「最適比率」(ベストミックス)を確定した。 そこで原発の比率は20~22%と決められた。 2030年に原発依存比率を20~22%に維持するには、40年と決められている一部の原発の運転期間を延長するか、新たに原発を建設しなければならない。
日本政府のこのような原発政策に対して、日本の市民は明確に反対している。毎日新聞は10日、川内原発の再稼働に対して、日本国民の57%が反対しているのに対し、賛成意見は30%にとどまったと報じた。しかし、安倍晋三首相は9日、「原発は何よりも安全を最優先している。世界で最も厳格な水準の新規制基準に適合していると認められない限りは再稼働しない」として、再稼働の方針を変えるつもりがないことを明確にした。