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ラッセル米国務省次官補「南シナ海紛争に韓国も参加を」

登録:2015-06-04 22:15 修正:2015-06-05 06:24
 朴大統領の訪米前に要求
 対中国圧力強化のための動き
ダニエル・ラッセル米国国務省東アジア・太平洋次官補 //ハンギョレ新聞社

 ダニエル・ラッセル米国国務省東アジア・太平洋次官補が3日、米国と中国間の対立が激化している南シナ海の領有権紛争と関連し、「韓国も声を出さなければならない」と指摘し、韓国が米国と行動を共にするよう圧迫している。

 ラッセル次官補は同日、ワシントン国際戦略問題研究所(CSIS)で同研究所と韓国国際交流財団の主催で開かれたセミナーで、南シナ海紛争における韓国の役割に対する質問に答えながら、このような立場を明らかにした。ラッセル次官補は「韓国は国際秩序の主要メンバーとしての役割に加え、貿易国と法治国家としての役割を果たしている。また、韓国は国際システムの中で繁栄してきた国」だと評価した上で、「米国同様、韓国が今回の領有権紛争の当事者でないことこそが、韓国が声を出すべき多くの理由を提供している。これは、自国の利益のためではなく、普遍的な原則と法治のためだからだ」と強調した。

 米国の高官が南シナ海紛争と関連し、韓国の参加を公開の場で促したのは異例のことだ。これは、南シナ海人工島の建設をめぐり、米中間の対立が深まる中、中国に対する圧力を強化するためのものと見られる。ラッセル次官補のこの日の発言は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪米を控え、韓国がこの問題についてこれまでより強く、積極的な態度を示すことを注文したものと解釈される。韓米両国は現在、首脳会談後に発表する共同声明の内容を調整していると伝えられた。

 韓国は、これまで南シナ海問題の平和的解決を支持する原則的な態度を表明してきた。昨年10月に開かれた韓米外交・国防(2 + 2)長官会議で出された共同声明は、「両国長官は南シナ海で平和と安定の維持、海上安全保障と安全、そして航海の自由の重要性を強調した」とし、 「東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が南シナ海行動宣言(DoC)を完全かつ効果的に実施すべきであり、意味のある行動規範(CoC)を早期に採択する必要性について意見の一致を見た」と明らかにした。

 米国は、自国と同盟・友好国の主要な海上交通路である南シナ海周辺で航行の自由を重要な国家利益と規定している。米国は4月、日本の安倍晋三首相の訪米の際、自衛隊が全世界で米軍を支援できるように日米相互防衛協力のための指針を改定した主な目的は、南シナ海の紛争における日本の役割の拡大にあるとされてきた。韓国には、このような軍事的支援を求めるような兆候は見られない。ただし、今回の韓米首脳会談の議題に上がる可能性があり、どのような議論が行われるか注目される。ある外交筋は、「ラッセル次官補の発言は、対外的声明などを出すときに、韓国がこれまでより進んだ立場を表明してほしいというものと解釈される」と述べた。

 ラッセル次官補はまた、同日の演説で、朴大統領の訪米で、グローバルな懸案に対する両国の協力が主に議論されるだろうと述べた。彼は代表的な協力事案として、気候変動、サイバー安保、開発支援などとともに、韓米日三角安保協力とアジア多国間機構の強化を挙げた。さらに「韓米日は海洋安全保障と北朝鮮の脅威などの域内問題だけでなく、多様なグローバル懸案に対して協力できる」とし「東アジア首脳会議(EAS)などアジア多国間機構は、域内紛争の平和的解決を支援するだろう」と強調した。

ワシントン/パク・ヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-04 19:57

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/694339.html  訳H.J

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