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米政府の「日本肩入れ発言」釈明はヒット・アンド・ラン外交?

登録:2015-03-03 20:56 修正:2015-03-04 07:21
国務省、釈明資料を通じて「日本の謝罪が必要」を再確認しながら
 副報道官「シャーマン次官演説をそう解釈したことに驚いた 」
 チョン・セヒョン元長官「シャーマンが本音、オバマはリップサービス」指摘
「平和と統一を願う人たち」会員が3日午前、ソウル鍾路区世宗路の駐韓米大使観前で韓中が過去の歴史を国内政治に利用したとしたウェンディ・シャーマン米国務省政務次官の発言を糾弾する1人デモを行っている。イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 米国政府が、北東アジア歴史問題と関連したウェンディ・シャーマン政務次官の発言が大きな波紋を呼んでいることを受け、真意が誤って伝えられたとして急いで鎮火に乗り出した。しかし、このような釈明にもかかわらず、米国の真意に対する疑問が直ちに沈静化するのは困難な見込みだ。

 米国国務省は2日(現地時間)釈明資料で「私たちは過去の歴史問題に対し、癒しと和解を促す方法で取り組むのが重要であることを強調してきた」とし「何度も述べたように、村山首相と河野官房長官の謝罪は日本が周辺国との関係を改善するうえで重要な一章を記録した」と述べた。これは、2013年12月の日本の安倍晋三首相の靖国神社参拝以降、東アジアの過去の歴史問題をめぐる対立が進化したことと関連し、日本の謝罪と反省が必要だという米国政府の公式見解を再確認したものと解釈される。

 国務省はさらに、バラク・オバマ大統領が昨年4月の訪韓当時、朴槿恵(パク・クネ)大統領との共同記者会見で慰安婦問題と関連して述べた発言を再度引用した。国務省は「第2次世界大戦当時、性を目的とした日本軍の女性人身売買行為は恐ろしくひどい人権侵害だ」と批判した。続いてオバマ大統領が当時「過去を振り返るとともに未来を眺めながら、過去の悲痛な苦しみを解決する方法を見つけることが韓国と日本国民すべての利益につながる。私たちは、日本が治癒を増進し、周辺国との関係改善を進める方向で、この問題を解決することを願う」と述べたと紹介した。

 米国務省が特定の問題についてこのように長々と釈明するのは珍しいことだ。それほどシャーマン次官の発言に対する韓国内の世論の悪化に負担を感じていることが窺える。

 だが、こうした釈明にもかかわらず、まだ疑問は残る。マリー・ハーフ国務省副報道官はこの日の定例記者会見で「今回の発言は、決して米国の政策の変化を表したものではなく、特定の個人や国家を狙ったものでもない」と述べた。「今回の演説を特定の指導者を狙ったものとした解釈が一部から出たことに、正直、少し驚いた」とし、韓国のマスコミを責める場面もあった。

 しかし、シャーマン次官は先月27日の演説で韓中日3カ国の過去の歴史と領土紛争問題が「挫折感を抱かせる」と不満を吐露した直後に、政治指導者が民族主義の感情を利用していると批判した。演説末尾では「再びリーダーシップの問題に戻ることになる」とし、指導者の問題を重ねて強調した。これは、あらゆる意味で、今回の演説が北東アジアの指導者たちに照準を合わせたことを示すものである。

 チョン・セヒョン元統一部長官は3日、SBS放送とのインタビューで「典型的なヒットアンドラン外交」だとし、「本音はシャーマン次官が言って、オバマ大統領はリップサービスをした」と述べた。

ワシントン/パク・ヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.03 16:07

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/680550.html?_fr=mt2  訳H.J

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