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[社説]もどかしいばかりの大統領の三一独立運動記念祝辞

登録:2015-03-02 10:44 修正:2015-03-02 11:56

 今年は日帝から解放されて70周年、韓国と日本の両国が国交正常化して50周年になる特別な年だ。そのため今年の大統領の三一節(3・1独立運動)記念の演説に対する関心はいっそう高まった。三一節は一年で最初の慶祝日という点もあって、これまでもその年の国政、なかでも特に日本と北朝鮮に対する政策の方向性を示す役割をしてきた。しかも朴槿恵(パク・クネ)政権は成立以来、北朝鮮及び日本と関係改善の糸口をまったく作れていないでいる。

 一言でいうなら今年の三一節の記念演説は、良く言って原則論の繰返しで、悪く言えば懸案問題を解決する見込みを全く示せないもどかしい決定版といえる。執権3年目をむかえて本格的な実戦問題集に向かって鉢巻きをしても身が入らないまま教科書を斜め読みしているにすぎないという感を拭いきれない。

 まず日本の問題で朴大統領は「日本が勇気をもって率直に歴史的事実を認め、韓国と手を取り合って今後半世紀のパートナーとして新しい歴史を記していくことを願いたい」として日本に対して、「歴史反省の後で関係改善」を促した。その前提として日本の従軍慰安婦の問題解決の重要性と緊急性を強調した。今年は以前になかった「日本政府の教科書歪曲の試み」等の表現を追加するなど対日批判のレベルは昨年よりむしろ高まった。

 朴大統領の対日認識は原則論で間違いではないが、その原則をどのように進めていくべきかという実践的な側面から見れば退屈なことこの上ない。一方、米国と中国、日本は過去の歴史のいざこざにもかかわらず、関係改善を促したり促進しようとする動きを見せている。米国のウェンディ・シャーマン国務部政務次官が最近の演説で「いかなる政治家も過去の敵を非難することによってレベルの低い拍手を受けるのは難しくない」として日本の肩を持って韓国を批判するような発言をしたのが、その代表的なものだ。また中国と日本は昨年2年半ぶりに首脳会談を再開したことに続いて、4月に4年ぶりに安保に関して話し合う予定だ。韓日間にも歴史問題の重要性を損ねないまま他の問題を前進させる創造的で実用的な外交が必要である。

 北朝鮮に関しても関係改善の糸口を作るために努めている様子は見い出しにくい。離散家族再会、スポーツ・文化・芸術の交流、歴史共同研究、鉄路再開などをよろず店のごとく並べ立てているが、最も大切なのは信頼プロセスをとなえながらも信頼を得ることができないところにあるということは誰もが知っていることだ ここまで来たら、大統領の見方のせいばかりにすべきことではない。そのような話しかできないように補佐している参謀の責任の方が大きいのである。

原文入力:2015/03/01 19:19訳T.W(1205字)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/680220.html 訳Y.B

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