本文に移動

[インタビュー]サイラー米6者協議特使「北朝鮮の非核化は先決条件ではない」

登録:2014-10-30 09:10 修正:2014-10-31 01:12

 米国務省のシドニー・サイラー6者協議特使(写真)が北朝鮮との対話再開に強い意志を表明した。長期間の膠着状態に陥っている朝米関係と6者協議に突破口が用意されるか関心が集まっている。

 北東アジア平和協力フォーラム参加のため訪韓中のサイラー特使は29日『ハンギョレ』と会い、6者協議再開の条件に関連して「米国は朝鮮半島の協議再開にあたり非核化を不可欠の先決条件として話したことはない」として「より真正性があり信頼のもてる協議に関する条件を話す過程で誤解があったようだ」と話した。

 彼は「非核化の過程は核プログラム中断から始まり、不能化、解体、完全な放棄に導く一つの過程だ。私たちはこうした過程を進めたい」として「このような非核化過程を始めて北朝鮮が約束を守り、その結果他の国も(それに相応する)約束を守り、互いに信頼を積むことができる」と明らかにした。

 サイラー特使のこの発言は、今まで韓米日が6者協議再開の前提条件として掲げた「最小限2・29合意水準」である事前非核化義務履行を北朝鮮に要求するより、交渉を通じて協議再開のハードルを下げられることを示唆したものと分析される。北朝鮮は「条件なしの6者協議再開」を主張しており、韓米日は会談再開のためには2012年2月に朝米が北京で合意した、△核およびミサイル試験猶予△ウラニウム濃縮を含むすべての核プログラムの活動中断△国際原子力機構(IAEA)の査察許容などを履行しなければならないと対立した。 サイラー特使は「6者協議に関連して適切な条件を話すのは、6者協議を成功させなければならないため」であるとしながら「行動対行動の原則で互いに信頼を積み重ね、これを通じてモメンタムを継続して互いに共通の理解を持つことができる」と指摘した。 6者協議再開の条件は必要だが、北朝鮮に対し一方的に義務履行を要求するより、非核化措置に相応する代価をあたえる“行動対行動”の方式になるものを表わしたと見られる。

 彼はまた「(6者協議再開に必要な)条件が高いかあるいは難しいかは、別の見方をすれば副次的な問題と言える。より重要なのは、北朝鮮が再び出てくる用意ができているのか、2008年以前のように非核化過程に再び入る努力を始める用意ができているのかがより一層重要な問題」だとして北朝鮮の呼応を促した。

 その一方で彼は「私たちは外交を通じてこの問題(北核問題)を解決しようとする堅い意志を持っており、この点が大変重要だ」、「なんらかの協議された(協議を通じて得られた)解決策を持とうとする私たちの意志は堅固で、持続的な努力を通じて今後も引き続きこうした過程を作動させられるように、前進するよう努力するだろう」と強調した。 彼はまた、北朝鮮に抑留中の米国人ジェフリー・ファウル氏が先週釈放されたことに関連し、「非常に歓迎する。 残り2人も釈放されることを期待している点を明確に(北朝鮮に)表明した」として「両国間(北朝鮮と米国)で解決しなければならない宿題はたくさんある。引き続き非核化や(米国人)抑留者問題、北朝鮮が話したい期待に対して北朝鮮と協議していきた」と話した。サイラー特使は約30年間、中央情報局(CIA)とホワイトハウスなどで北朝鮮情報分析と交渉を担当し、9月から国務省6者協議特使として活動している。

イ・ヨンイン、チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.10.30 07:45 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/662118.html 訳Y.B (1370字)

関連記事