米国は中国・北韓・ロシアとの核戦争という万一の事態に備えて核潜水艦偵察活動の60%以上を太平洋に集中していることが明らかになった。
米国の核専門家であるハンス クリステンスン、ロバート ノリス博士は‘核科学者会報’最新号に寄稿した‘2014米国核戦力’報告書で米軍が‘トライデントⅡD5’潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)等を搭載したオハイオ級核潜水艦14隻を活用し、核抑止偵察活動をしていて、この内8隻は太平洋、6隻は大西洋に配置されていると明らかにした。
報告書はこれら潜水艦が一隻当たり年平均2.5回の偵察作戦に投入され、一回当たりの作戦日数は平均70日だが、一部の作戦では100日以上になったりもしていると伝えた。 特に報告書は「偵察作戦の60%以上は太平洋でなされている」として「これは中国と北韓、ロシアを相手にした核戦争計画を反映したもの」と明らかにした。
報告書は実戦用と分類された12隻の核潜水艦の中で、常に少なくとも8~9隻は作戦海域に配置されている状態で、これらの内 4~5隻は戦略戦計画により特定目標物を直ちに打撃できる海域で‘超非常’状態を維持していると説明した。 相手国の核挑発がある場合、いつでも近隣海域に配置された潜水艦から核弾頭ミサイルを発射し、直ちに反撃できるということだ。
しかし報告書は、米国が2011年2月に発効されたロシアとの新戦略兵器縮小協定(新START)等により全般的な核戦力と潜水艦偵察活動は減らしていると分析した。 実際、1999年1年間で64回に達した核潜水艦の核抑止偵察活動が2011年には28回へと大幅に減った。
報告書は現在米国が実戦配置している核弾頭は、潜水艦発射弾道ミサイル1152基とミニッツマンⅢをはじめとする大陸間弾道ミサイル(ICBM) 470基など計2120基だと明らかにした。 現場に配置されず保管中の核弾頭も2530基に達し、総保有数は4650基と推定され、解体を待っている核弾頭(2700余基)まで含めれば在庫量は約7400基だ。 昨年核弾頭は2010年対比で460基減少した。
報告書は「オバマ行政府は新STARTにより核兵器発射体と核弾頭などを減らしているが、同時にすべての核兵器システムに対する全般的な改良を計画中」とし「今回のアップグレード計画は30年間進行され、初めの10年間にかかる費用だけでも2000億ドル以上がかかる展望」と推定した。
ワシントン/パク・ヒョン特派員 hyun21@hani.co.kr