社会から孤立し家や部屋から出てこない「引きこもりの若者」により、韓国社会が負担する「隠れた費用」が年間5兆ウォン(約5300億円)を超えるという分析が示された。若年層の就職難の深刻化により、自らを社会から離れ引きこもる若者がさらに増加する可能性があることから、政策支援の拡大が求められている。
韓国保健社会研究院(保社研)のキム・ソンア研究委員と韓国経済人協会(韓経協)のペク・ウォヌ研究員は5日、こうした内容が含まれた報告書「若年層の引きこもり化の決定要因及び社会経済的費用推定」を公開した。国策研究機関の保社研と財界団体の韓経協が共同で分析報告書を発表したのは今回が初めて。引きこもりの若者とは、妊娠・出産・障害などの理由ではなく、家や部屋の外にほとんど外出しない19〜34歳の若者を指す。研究チームは政府が昨年発表した「2024年若者の生活実態調査」のマイクロデータを活用し、韓国における引きこもりの若者の規模と詳細な実態を分析した。
これによると、韓国における引きこもりの若者は2024年基準で53万8千人、全体若年層の5.2%と推定される。性別では男性(59.9%)の比率が女性(40.1%)より高い。年齢別では25〜34歳が66.6%を占めている。
引きこもりの若者の30%以上は、その理由として「就職がうまくいかないから」を挙げた。労働市場に進入し定着する時期の「就職における挫折」が引きこもりの主な背景だという意味だ。実際、引きこもりの若者のうち就業者の割合は36.9%で、引きこもりではない若者の就業率(72.2%)の半分に過ぎなかった。研究チームは「賃金労働者である引きこもりの若者は、引きこもりではない若者に比べ常用職の比率が低く、臨時職・日雇い職の比率が高く、仕事の質も相対的に低い」と指摘した。
研究チームは引きこもりの若者による社会・経済的コストを1人当たり年983万ウォン、総額5兆3千億ウォンと推定した。これは、引きこもりの若者が経済活動や結婚・出産を行わず、職務成果も低下することで生じる生産性損失額(1人当たり年間947万ウォン)と、彼らを支援するために政府が負担する基礎生活保障給付・失業給付・求職促進手当などの政策費用(年間36万ウォン)を合算した金額。
また、生産・求職活動を行わず休んでいる若者と求職期間1カ月前後の失業初期段階の若者が引きこもる確率はそれぞれ17.8%、15.1%で、就職した若者(2.7%)の最大7倍と指摘した。特に失業した若者が引きこもる確率は、求職1カ月目の15.1%から14カ月目で24.1%、42カ月時点では50.2%と急上昇した。
研究チームは「孤立し引きこもる若者の回復と自立を支援する政府事業は、社会的損失を減らす投資となり得る」とし、「事後的支援を超え、若者たちが未就業状態から孤立と引きこもりへ至る経路を早めに断ち切らなければならない」と提言した。韓国政府が昨年、孤立・引きこもり若年層支援のモデル事業のために編成した予算はわずか23億ウォン。一方、彼らによって社会が負担する費用がこれをはるかに上回るため、個別対応型の支援を拡大すべきだという指摘だ。