本文に移動
全体  > 経済

「職場経験者のような新入社員」求める企業…韓国の青年層雇用率、14カ月連続で低下

登録:2025-07-16 20:46 修正:2025-07-16 23:44
6月、ソウルのあるカフェで開かれた2025ソウル青年就職メンタリングフェスタで、一人の参加者が関連バナーを読んでいる/聯合ニュース

 韓国の非首都圏の4年制大学で行政学科を卒業したKさん(29)は、ソウルの実家に戻り2カ月間求職活動を続けているが、まだ良い知らせを聞けていない。何年も公務員試験を準備したKさんは、5月に路線を変えて10カ所余りの会社に履歴書を送ったが、まともな面接の機会も得られなかったという。Kさんは「文系なので就職に不利だというのもあるし、長い間の受験生活でインターンのような職場経験も少ないことが、『職場経験者のような新入社員』を選ぶ流れに合わないようだ」として「カフェでアルバイトでもしようと調べてみたが、ここも経験者を求めていた」と、苦々しさを隠さず吐露した。

 韓国では今年上半期の就業者数が18万人以上増加し、6月の雇用率が過去最高値を記録した中で、青年層(15~29歳)の雇用指標はむしろ悪くなるなど、若者の雇用市場の停滞が続いている。低成長の局面が長引く状況で、デジタル転換にともなう雇用構造の変化、企業と若者の「仕事のミスマッチ」などが複合的に作用した結果とみられる。

 統計庁が16日に発表した「6月雇用動向」によれば、先月の15歳以上の就業者は2909万1千人で前年同期比18万3千人増えるなど、6カ月連続で二桁の増加傾向を継続した。15歳以上のうち、就職した人の割合である雇用率は前年比0.1ポイント上昇した63.6%で、6月基準で史上最も高かった。経済協力開発機構(OECD)基準の生産可能人口(15~64歳)の雇用率も、昨年同月に比べ0.4ポイント上昇した70.3%と集計され、6月基準で過去最高値を記録した。30代(81.0%)と40代(80.2%)、60代以上(48.1%)の雇用率がいずれも増加した影響だ。韓国政府は、現在の傾向が続けば、今年の就業者数は年初の経済政策方向で予想した就業者数増加幅(12万人)を上回るとみている。

韓国の青年(15~29歳)雇用率推移 資料:韓国統計庁//ハンギョレ新聞社

 だが、同じ期間で15~29歳の雇用は振るわなかった。青年層の雇用率は45.6%で1年前より1.0ポイント下がるなど、昨年5月から14カ月連続で下落傾向にあることが分かった。青年就業者数も362万5千人で前年同月比17万3千人減るなど、32カ月連続で減少した。仕事をする能力はあるが求職活動をしない「休んでいる」青年は1年前より1万8千人減ったが、40万8千人と集計され依然として40万人台を維持している。

 低成長局面が長期化する中で、常用職など質の良い職の割合が高い製造業の雇用市場が不振を示したことが影響を及ぼしたとみられる。製造業の就業者数は前年比8万3千人減少(-1.9%)したが、これについて企画財政部は「繊維など内需に関連する製造業の不振が続く中で、対外的な不確実性などで減少幅が拡大した」とし「通商リスクなどで最近自動車メーカーの就業者数も減っている」と分析した。内需景気を反映する宿泊・飲食店の就業者数も3万8千人(-1.6%)減ったが、これらの業種にキオスクが導入されるなどデジタル転換がなされたことが、雇用の萎縮をもたらしたとみられる。企画財政部のチャン・ジュソン人材政策課長は「全般的に景気が低迷し産業が構造転換、デジタル化され、韓国経済の雇用創出力が弱まっていることが青年層などに影響を及ぼしたと考える」と話した。

 求人する企業と求職する若者の間の条件不一致も、青年雇用率下落の主要な原因に挙げられる。企業は経験者を好み、若者は賃金と労働強度のバランスがとれた職を望むため、仕事のミスマッチが起きているということだ。統計庁のコン・ミスク社会統計局長は「(企業の)新規採用で経験者採用の傾向が増加しており、随時採用が増えている部分が青年層に不利に作用している」と分析した。チャン課長も「企業は経験者を求め、青年は『ワーク&ライフバランス』(仕事と生活の均衡)、首都圏勤務を求めるなど、企業と若者の選好が交錯し(仕事の)ミスマッチが発生しているとみている」と述べた。実際、韓国の大企業の青年職員の規模もだんだん減っている。この日、企業データ研究所のCEOスコアの分析によれば、売上高基準で国内の大手企業100社のうち67社を分析した結果、2022~2024年の間に20代の役職員の比重は24.8%→22.7%→21.0%となり、2年で3.8%減ったことが分かった。

 企画財政部は「人工知能(AI)など次世代先端産業の集中育成および主力産業の高度化を通じて、中長期的に韓国経済の雇用創出力を広げる」と明らかにした。

シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1208325.html韓国語原文入力:2025-07-16 17:54
訳J.S

関連記事