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ムーディーズ「韓国、尹前大統領の罷免後も経済・政治の不確実性は続く見込み」

登録:2025-04-14 07:10 修正:2025-04-14 08:38
釜山港の戡蛮・新戡蛮埠頭でコンテナの荷下ろし作業が行われている/聯合ニュース

 国際格付け会社のムーディーズが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の罷免にもかかわらず、韓国の経済・政治的不確実性は続く可能性が高く、政治的緊張が高まった状態が長引けば、信用にネガティブな影響を及ぼす恐れがあると明らかにした。

 13日の金融投資業界によると、ムーディーズは最近発表した報告書で「尹前大統領の弾劾によってリーダーシップの空白を埋めることができる道が開かれた」としながらも、経済・政治的不確実性は解消されていないとの見解を示した。

 同社は「今回の決定(罷免)のきわめて分裂的な性格を考慮すれば、街頭デモが続くとみられる」として、「われわれの基本原則は制度と政策が円滑に機能することだが、経済活動を阻害し、経済成長に対する政府の対応を遅らせる政治的緊張の高揚状態が長期化する場合は、信用にネガティブな影響を及ぼす可能性がある」と述べた。

 また、韓国経済の困難さとして、米国の通商政策の変化やインフレ抑制法(IRA)と半導体および科学法(CHIPS法)の修正の可能性などに言及し、これによって自動車、半導体、バッテリー産業がネガティブな影響を受ける可能性があると予測した。

 6月3日の大統領選挙については、「尹前大統領の弾劾で深い亀裂が生じ、明確な先頭走者がいない(与党)国民の力で政治的内紛が起きる可能性が高い」と予想する一方、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表については、「拡張的財政政策は、韓国の債務の負担にさらなる上昇圧力を加える可能性がある。人口高齢化によって年金と賃金支出が増加し、このような負担がさらに増える可能性がある」と指摘した。

 一方、尹前大統領の罷免については、「法治主義が今でも適切に機能していることを示唆している。政治的不安定性のなかでも、経済政策の効率性を維持する能力は、韓国が信用格付けに合った比較的高い制度的強みを有しているという評価を裏付けている」と評した。

 ムーディーズは2015年から、韓国の国家格付けを「Aa2(安定的)」で維持している。これは「Aaa」「Aa1」に続く3番目に高い格付けにあたる。

チョ・ヘヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1192142.html韓国語原文入力:2025-04-13 19:26
訳M.S

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