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韓国の最大輸出国、もはや中国ではなく米国…「貿易制裁の刃」が懸念

登録:2024-04-19 06:22 修正:2024-04-19 06:59
クリップアートコリアより//ハンギョレ新聞社

 米国が中国を抜いて韓国の最大の輸出国に浮上したことで、韓国に対する米国の貿易制裁の可能性が高まるという分析が出た。

 韓国銀行が18日に発表した報告書「韓国の対米輸出構造変化の評価および今後の見通し」によると、今年第1四半期の対米輸出額は310億ドルで、2003年第2四半期以降初めて対中輸出額(309億ドル)を上回った。総輸出で米国が占める割合は18%。

 対米輸出の好調は、米国の強固な消費需要とインフレ抑制法(IRA)など産業政策により、半導体や二次電池など韓国企業の対米直接投資が拡大した影響だと分析。短期的に対米輸出の増加傾向が続くとの見通しが示された。米国の活発な消費と投資が直接輸出だけでなく、中国とASEANを通じた間接輸出にも肯定的な影響を及ぼし、国内企業の直接投資が増えれば投資対象国に対する輸出も増加する傾向があるためだ。米国内の生産による韓国産製品の輸入誘発率は、2020年以降高まっていることが分かった。

 ただし、中長期的観点では対米直接投資の輸出効果が次第に減少すると、報告書は予想を示した。米国の産業構造の特性上、輸入中間財よりは自国産を投入する比重が大きいうえ、生産費用の水準も高く、対米直接投資を拡大しても韓国の中小企業の同伴進出は限られるものとみられる。韓国資本が中国とベトナムに進出した時、中小企業の投資比重は40%以上である一方、米国は20%を下回る。先端分野に対する国内投資の鈍化および国外への人材流出の危険性も指摘された。

 大規模な対米貿易黒字による米国の貿易制裁の可能性も懸念される。報告書は「過去、米国の対韓国貿易収支赤字幅が大きくなる時や自国産業保護の世論が高まる時、様々な貿易制裁が強化された」とし、2017~2018年のトランプ政権時代の自由貿易協定(FTA)再交渉の推進とセーフガード(緊急輸入制限措置)の施行などをその事例に挙げた。韓国銀行国際貿易チームのナム・ソクモ課長は「エネルギーや農畜産物などで対米輸入を増やせば、先制的に通商圧力を緩和し、韓国の物価にも役立つ」と述べた。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1137178.html韓国語原文入力:2024-04-18 16:04
訳H.J

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