韓国をはじめとする世界の資本の中国進出ブームは1990年代の初・中盤から始まったので、今やおよそ一世代(約30年)が過ぎた。ところが最近、韓国と中国の貿易量(輸出・投資)と科学技術の達成度の比較で示された「反転」指標は驚くべきもので、いつのまにか「過ぎ去りし昔」を早くも想起させる。2023年の韓国の総輸出に占める中国市場(1248億ドル)の割合は19.74%で、19年ぶりに再び20%を下回った。一方、米国市場(1157億ドル)の割合は18.30%で、20年間で最高水準に達し、中国の世界貿易機関(WTO)加盟(2001年)以前の構図に戻りつつある。月間基準ではすでに2023年12月と2024年2月に米国市場への輸出額が中国市場向けを上回った。
2023年の韓国企業の中国市場への海外直接投資(FDI)は18億7千万ドル(前年比-78.1%)で、韓国資本が進出した国別投資額で中国は7位だ。1992年以来初めて「上位5カ国」から外れた。世界の資本の中国市場への直接投資額も2023年は計330億ドルで、1993年以来の最低値を記録した。2021年(3441億ドル)に比べて9.6%に過ぎないが、より多くの利潤を追って世界各地へと旅する資本が、今や中国投資を敬遠し、投資金を発作的に回収している。左派経済評論家のダニエル・シンガー氏は2001年に「資本主義体制が生き残るためには征服する新しい土地が常に必要だ。その旅は夕暮れに差し掛かった。もう中国を飲み込んだのだから(完全に消化してしまったわけではないが)、もう行くところは多くない」と語った。
もちろん、中国内部の資本が熱く噴き出す成長エンジンも考慮しなければならない。韓国政府が韓国・米国・日本・中国・欧州連合(EU)を対象に2022年基準の国家核心技術(人工知能、量子力学、次世代通信・原子力、宇宙航空・海洋など136個)の水準を比較した結果、米国(=100%)に対して韓国は81.5%(格差3.2年)で最下位となり、中国が4位(82.6%・3.0年)、日本が3位(86.4%・2.2年)、EUが2位(94.7%・0.9年)だった。中国の科学技術が韓国に追いついたのは、国の比較が可能になった2012年以降初めてだ。この5~6年のあいだ、韓国が中国に抜かれる時期をむしろ米中の先端技術対立が遅らせる効果を提供したという評価もある。
優れた経済学者たちは、以前から世界経済を中国の巨大領土と人口に結び付けて見通し、分析してきた。経済学者アダム・スミスは「国富論」で「中国という大帝国がその無数の住民と共に突然地震で消えてしまったと想像してみよう」として、この恐るべき災いの知らせが伝えられた時、世界の人々が感じる同感(利他性)あるいは利己心を語ったことがある。フランスの経済学者トマ・ピケティも『21世紀の資本』で「1800年の西インド諸島投資は2010年に中国・南アフリカ投資に変わったかもしれないが、資本の深層構造が果たして実質的に変わったと言えるだろうか?」として「リスク追求的資本家」の実状を描写したことがある。数理経済学の創始者であるウィリアム・ジェヴォンズは1870年代に「太陽黒点と商業の危機」をテーマに書いた論文で「太陽が全世界的景気循環を推動する」としてこのように述べた。
「中国・インドが数年にわたり豊作になり消費市場が繁栄すれば、ランカシャーとヨークシャーの貿易好調の中で製造業者は新しい機械・工場を持ち込んで建てる。西欧で産業活動の熱気が暴走する中で太陽の放射エネルギーが徐々に消え始め、製造業者が莫大な量の商品を供給しようとするその瞬間に、インド・中国に迫った飢饉事態がその需要を突然遮断してしまう」
150年前のジェヴォンズの言葉をふと思い出したりもする最近の中国経済だ。