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韓国、家計負債1875兆ウォン、1年ぶりに最大値更新…「住宅ローン急増」

登録:2023-11-22 00:09 修正:2023-11-22 07:54
韓銀「2023年第3四半期の家計信用(暫定)」発表
韓国銀行経済統計局のソ・ジョンソク金融統計チーム長が21日、ソウル中区の韓国銀行で、2023年第3四半期の家計信用(暫定)の主な特徴を説明している/聯合ニュース

 今年の第3四半期(7~9月)に金融圏の住宅関連の家計融資が大幅に増えたことに伴い、家計信用(家計負債)残高は1年ぶりに史上最高値を更新した。住宅取引の回復と共に住宅担保融資(住宅ローン)の急激な増加が続いたうえ、これまで停滞していた家計のローンによる消費まで増加に転じたことが影響した。

 韓国銀行が21日に発表した「第3四半期の家計信用(暫定)」によると、9月末の家計信用残高は前期末に比べ14兆3000億ウォン増の1875兆6000億ウォン(約214兆円)。史上最大だった昨年9月末(1871兆1000億ウォン)の記録を更新した。家計信用は昨年の第4四半期から今年第1四半期にかけては減少していたが、第2四半期に8兆2000億ウォンの増へと転じ、第3四半期には増加幅がさらに拡大したことになる。家計信用とは、家計が銀行などの金融圏から受け取った貸付金に、決済前のカード使用額のような「販売信用」を加えた包括的な家計負債のこと。

 家計信用全体の増加を主導したのは住宅ローンを中心とした家計融資だ。家計融資残高は3カ月間で11兆7000億ウォン増の1759兆1000億ウォン(約201兆円)で、昨年第2四半期(1757兆1000億ウォン)の史上最高値をはるかに上回った。特に住宅ローンは第3四半期に17兆3000億ウォンも増え、残高は1049兆1000億ウォン(約120兆円)。これもこれまでの最高値を3カ月で更新したもの。一方、信用貸付を含めた「その他の貸付」の残高(710兆ウォン、約81兆1000億円)は5兆5000億ウォンの減。韓銀のソ・ジョンソク金融統計チーム長は「住宅取引が第2四半期以降に増加して家計の住宅購入資金の需要が増えるに伴って、特例住宅ローンなどの政策モーゲージだけでなく、各銀行の住宅担保融資まで加わったことで、家計融資の増加幅が拡大した」と語った。

 第3四半期の家計融資の増減を機関ごとに区分すると、預金銀行の融資残高は904兆5000億ウォン(約103兆円)で10兆ウォン増加した一方、相互金融などのノンバンクの預金取扱機関(残高323兆7000億ウォン、約37兆円)は4兆8000億ウォンの減だった。ノンバンクの預金取扱機関の融資残高は昨年第2四半期以降、5期連続で減少が続いている。貯蓄銀行とセマウル金庫を中心に健全性管理が強化されていること、商業用の建物などの非住宅に対する担保融資が減ったことが、ノンバンクによる融資の減少の最も大きな要因だと韓銀は把握している。

 第3四半期末の販売信用残高は116兆6000億ウォン(約13兆3000億円)で、前期末に比べ2兆6000億ウォンの増。販売信用は昨年第4四半期(残高117兆7000億ウォン)から今年の第2四半期末までに約3兆8000億ウォン減少したが、増加に転じた。ソ金融統計チーム長は「旅行および余暇需要の増加などで、第3四半期以降クレジットカード利用が拡大している影響だとみられる」と述べた。実際に第3四半期の個人によるクレジットカード利用額は186兆9000億ウォン(約21兆4000億円)で、第1四半期(175兆6000億ウォン)と第2四半期(182兆3000ウォン)より多かった。

パク・スンビン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1117249.html韓国語原文入力:2023-11-21 17:31
訳D.K

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