米国などの主要国の通貨緊縮基調が予想より長びく可能性が高まっている中、韓国でも長短期市場金利の上昇により、銀行の貸付金利も急激に上昇している。一部の都市銀行では、変動金利型住宅担保融資の最高金利が今年に入って初めて年7%を超えた。
24日時点の銀行連合会の消費者ポータルと5大都市銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリィ・NH農協銀行)の金融商品の案内資料を総合すると、先月末には年3.38~6.25%だった混合型住宅担保融資の金利は、22日現在で年3.9~6.469%にまで上昇している。5年物の銀行債の金利に連動する混合型住宅担保融資は、固定金利が5年間適用され、その後は変動金利に移行する貸付だ。5年満期の銀行債の金利は8月末の年4.38%(AA-等級ベース)から22日現在は4.55%へと0.17ポイント(3.9%)上昇し、住宅担保融資の金利を引き上げた。
特に「COFIX(資金調達コスト指数)」を指標金利として用いる変動型融資は年4.27~7.099%で、わずか20日あまりで最大値が0.13ポイントの上昇を記録した。銀行の変動金利型住宅担保融資の最高金利が7%を超えたのは、昨年12月(最大値7.603%)以来9カ月ぶり。1年満期の信用貸付金利(1等級)も22日現在年4.56~6.56%で、8月末に比べ最小値、最大値ともに0.14ポイントずつ上昇した。
銀行連合会が算定した今月15日時点のCOFIXは3.66%で、先月と比べて0.03ポイント下落。それでも銀行が変動型貸付金利の最大値を高めたのは、9月に入って資金調達コストが急上昇しているためだ。COFIXに反映される3カ月満期の譲渡性預金(CD)の金利は、8月末の3.69%から22日現在の3.83%へと0.14ポイント(3.8%)上昇し、今年1月13日(3.88%)以降で最高値を記録した。銀行同士の短期資金取引に適用される「KORIBOR(韓国銀行間取引金利)3カ月物」も3.83%で、今年1月6日に記録した年中最高値(3.85%)の突破を目前にしている。
銀行界隈では、10月以降も貸付金利の上昇が続くとの観測が支配的だ。昨年10月のレゴランド問題の際に集中した高金利の預金・積立の満期が来年1月までに集中的にめぐってくるため、利子を上げて引き出しをとどめなければならないうえ、直接金融市場を通じた長短期資金の調達金利も上昇圧力を受けているためだ。
満期を問わず銀行の貸付金利が上昇しているにもかかわらず、家計債務の増加はおさまっていない。21日現在、5大都市銀行の家計融資残高は682兆4539億ウォン(約75兆7000億円)で、8月末に比べ1兆6419億ウォン(約1820億円)増加している。4月から増加に転じた5大銀行の家計融資残高は、8月に1兆5912億ウォン増加したのに続き、9月に入ってからはわずか20日あまりで前月の増加幅を上回った。米国などの主要国の通貨政策の緊縮基調が予想より長びいているため、韓国の銀行窓口の高金利も長期化するだろうとの見通しが固まりつつある。銀行から借金している家計の元利金返済負担は、日を追うごとに重くなっていく兆しを示している。