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サムスン電子、「1テラビットの第8世代VNAND」量産開始

登録:2022-11-07 19:54 修正:2022-11-08 07:12
来年は第9世代量産予定
サムスン電子が量産を開始した第8世代VNAND=サムスン電子提供//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子は7日、世界最高容量・速度の「1テラビット(Tb)第8世代Vertical NAND」の量産を開始したと明らかにした。

 サムスン電子は2013年に世界で初めてセル(貯蔵空間)を垂直に積み上げる方式で24段NANDを開発し、生産を開始した。その後、技術進化を繰り返し9年ぶりに200段以上の第8世代NANDを量産するに至った。限られた空間にセルをさらに多く積むことになり、貯蔵容量が増え、処理速度も速くなった。

 サムスン電子は「第8世代VNANDに最新NANDフラッシュインターフェース『トグルDDR5.0』を適用した」として「第7世代NANDより約1.2倍速い最大2.4Gbps(秒当たりギガビット)のデータ入出力速度をサポートする」と明らかにした。また「一つのセルに3つの情報(ビット)を盛り込む技術である『TLC・TripleLevelCell)』が適用された、業界最高水準のビット密度(BitDensity)の高容量製品」と説明した。

 市場調査機関オムディアによると、NAND市場は2016年の368億ドルから2021年には684億ドルに大きく増大した。スマートフォンの大衆化とデータセンターの拡大などの影響だ。NANDは電源が切れてもデータを保持するという長所はもちろん、小型なのでスマートフォンの内蔵メモリー、USB、大容量貯蔵装置(SSD)などに広く使われる。今年第2四半期基準で、NANDの市場占有率はサムスン電子が33.3%で1位であり、SKハイニックス(ソリダイムを含む)と日本のキオクシアがそれぞれ20.4%、16.0%と後に続いた。さらに自動車にも高性能メモリーの搭載が増え、NAND需要はさらに増える見通しだ。サムスン電子は「2030年以後にはサーバー、モバイル、電装分野がNANDメモリーの3大需要先になるだろう」と見通した。

 これに伴い、半導体製造業者間の「段数競争」がますます激化している。米国マイクロンは7月、232段のNANDの生産を開始したと明らかにした。SKハイニックスは8月、238段NANDを開発したと明らかにした。来年上半期に量産に入る計画だ。サムスン電子は今回の第8世代NAND量産に続き、2024年には第9世代NANDの量産を開始する計画だ。また、2030年までに1000段を超えるVNANDを開発する目標を持っている。1000段は第7世代の176段に比べ貯蔵容量が5倍を超える。

 サムスン電子メモリー事業部フラッシュ開発室のホ・ソンフェ副社長は「第8世代VNANDを通じて市場の需要を満たし、より差別化された製品とソリューションを提供していく」と明らかにした。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/1066111.html韓国語原文入力:2022-11-07 16:48
訳J.S

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