韓国の10月の輸出実績が昨年同月より5.7%減少したことが分かった。月間基準の輸出額が減少傾向を記録したのは2年ぶりのことで、異例の事態だ。輸出に絶対的に依存する韓国経済全般に相当な負担を与える要因だ。マクロ経済管理・運用に大きな変数として浮上しているウォン-ドル相場の流れに関するさらなる不安要因になりうるため、負担が増している。
産業通商資源部が1日に発表した「10月輸出入動向」によれば、輸出額は昨年同月より5.7%減った524億8千万ドルと集計された。月間輸出実績の下落傾向は、2020年10月(-3.9%)以来2年ぶりだ。輸出の実績不振はロシア・ウクライナ戦争の長期化、主要国の通貨緊縮にともなうグローバル景気鈍化の影響だと産業部は分析した。
さらに最大輸出相手国である中国の輸入市場萎縮と、最大輸出品目である半導体価格の下落も輸出不振の主な要因に挙げられた。昨年の10月の実績(556億6千万ドル)は過去最高の輸出額を記録しており、その反射効果も働いたと分析された。
品目別では、自動車(28.5%)、二次電池(16.7%)の輸出が大幅に増えた反面、半導体(-17.4%)、石油化学(-25.5%)、ディスプレイ(-7.9%)、無線通信(-5.4%)などの輸出はグローバル需要の鈍化で減少した。半導体の輸出不振はDRAM・NANDフラッシュのようなメモリー分野製品の輸出減少(-35.7%)から始まった。非メモリー半導体の輸出は17.6%増の43億8千万ドルで、メモリー半導体の輸出規模(44億7千万ドル)とほぼ同水準になるくらい比重を拡大した。
地域別では、米国(6.6%)、欧州連合(EU・10.3%)、独立国家連合(CIS・0.4%)への輸出が増加し、中国(-15.7%)、ASEAN(-5.8%)、日本(-13.1%)、中南米(-27.0%)の輸出が減少した。
10月の輸入額は591億8千万ドルで、昨年同月より9.9%増えた。このため10月の貿易収支は67億ドルの赤字を記録した。今年4月以降7カ月連続で赤字が続き、通貨危機当時の1997年の5カ月連続赤字以来、25年ぶりに最も長い赤字期間を継続している。原油・ガス・石炭の3大エネルギー源の輸入額が昨年同月より46億ドル(42.1%)増えた155億3千万ドルを記録し、貿易赤字を増やした。対中国貿易収支は1カ月で再び赤字(12億5千万ドル)に転じた。
1~10月の累積貿易収支赤字は356億ドルに達し、年間基準で過去最大だった1996年の206億2400万ドルをはるかに超えている。1~10月の3大エネルギー源の累計輸入額は1586億7千万ドルで、昨年同期より716億1千万ドル増えた。貿易赤字全体の規模を2倍以上上回る水準だ。
産業部のイ・チャンヤン長官は「インフレ、ロシア・ウクライナ戦争などで世界経済の下振れリスクが拡大し、主要機関が来年の景気低迷の可能性に言及しており、短期間に輸出を反転させることは容易ではない状況」と述べた。イ長官は「貿易赤字の持続、10月の輸出減少など、最近の状況をきわめて厳重に認識している」とし、「非常経済民生会議(27日、大統領主宰)の後続措置として汎省庁レベルの輸出支援力量を強化し、公共部門を中心に省エネを強力に推進する」と述べた。