韓国政府が造船業の生産・技術における人材を来年までに約8千人育成することにした。造船業界の人材不足問題を解決するための方策だ。政府はまた、エコ船舶と自動運航船舶のシェア率をそれぞれ、2030年までに今年基準の66%→75%、0%→50%まで高めることにした。
産業通商資源部のムン・スンウク長官は9日、サムスン重工業巨済(コジェ)造船所で、このような内容を含む「K-造船再跳躍戦略」を発表した。この日の発表行事には、ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官、ハ・ビョンピル慶尚南道知事代行、チョン・ジンテク・サムスン重工業社長、カ・サムヒョン造船海洋プラント協会長らが参加した。
今回の方策について、産業部は「世界の船舶市場の回復傾向に対応し、造船産業の活力を高めるためのもの」と説明した。世界の船舶市場の活況と韓国企業などの受注増加により関連の雇用が増える展望だが、賃金・労働条件のせいで造船業界では人材流出が続いている。造船協会の人材需要展望によれば、追加で必要な人材は今年第4四半期に119人、来年第1四半期には3649人、第2四半期には5828人、第3四半期には8280人、第4四半期には7513人にのぼる。
政府は人材不足を埋めるの方策として「慶尚南道型雇用維持モデル」を蔚山(ウルサン)・釜山・木浦(モクポ)などに拡大することにした。このモデルは、雇用労働部が訓練費(100%)・人件費(最低賃金の150%以内)を、地方自治体が4大保険料(50%以内)を支援する内容だ。また、退職者を再雇用する企業に対し月30~50万ウォン(約3~5万円)の採用奨励金を最長8カ月間地方自治体が支援することにした。退職した技術人材を、中小の造船会社の設計・エンジニアリングサービス支援人材として活用する案も推進される。
生産・技術人材の育成教育事業を拡大し、来年1年で2660人を育成することにした。今年の2490人より増えた水準だ。LNG設計技術人材は、今年と来年にそれぞれ160人まで育成することにした。
新規採用者インセンティブを新設し、産業部が訓練手当てを月100万ウォン(約10万円)を2カ月間支給する方策も含まれた。月100万ウォン(雇用部40万ウォン+地方自治体60万ウォン)ずつ支給する既存の採用予定者訓練手当てに追加される措置だ。政府はまた、協力会社の社員住宅、医療費・学資金支援などの福利厚生を強化するために、共同勤労福祉基金を拡大することにした。
政府はまた、外国人労働者の導入規模を弾力的に調整するために、新規採用人材プールを拡大することにした。造船協会は今月、求人-求職プラットフォームを構築し、需給の不均衡解消に乗り出す。また、現代重工業に未来人材育成センターを設立し、民官共同で人材育成ロードマップ(2022~2025年)を樹立することにした。
政府はエコ船舶の普及方案として、公共部門で2030年までに388隻(全体467隻の83%)をエコ船舶に替えて建造あるいは転換し、民間部門でも2030年までに140隻程度の転換を促進することにした。また、自動運航船舶の主要技術を開発するために、今年12月から試験船の実証を開始し、来年6月までに蔚山に実証センターを構築することにした。
中小の造船会社に対する信用保証基金の前受金払い戻し保証(RG)限度(現行150億ウォン)と機資材製作の金融限度(現行70億ウォン)を上方修正する案も合わせて検討することにした。輸出・マーケティング・物流を支援するために、今月中にサウジアラビアにも海外拠点を置くことにした。これにより海外拠点は中国、シンガポール、ギリシャ、ロシア(2カ所)の5カ所から6カ所に増える。