文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9日、造船業の再跳躍のために「熟練した技術を持つ方々が再び現場に戻れるよう支援」し「2022年までに造船人材8000人を育成し、新しい人材の流入を拡大する」と明らかにした。造船業の不況による構造調整などで雇用危機地域に指定された蔚山(ウルサン)と慶尚南道巨済(コジェ)などに、再び雇用が生まれると朗報を伝えた。
文大統領はこの日午後、サムスン重工業巨済造船所で開かれた「K-造船ビジョンおよび共生協力宣言式」で、「私たちは今年、13年ぶりに造船の最大受注量を達成し、世界最高の地位を取り戻した」と述べ、このように明らかにした。文大統領は「今年大量受注した船舶を造るために、来年から多くの雇用が生まれるだろう。熟練した技術を持つ方々が再び現場に戻り、造船業の跳躍に携われるよう支援する」と明らかにした。また「造船人材8000人を育成し、職業訓練と未来人材育成センターのような体系的な人材管理システムを構築する」と述べた。
サムスン重工業・現代重工業・大宇造船海洋など韓国国内の造船企業の受注量は、今年7月基準で1285万CGT(船舶建造量指標である「標準貨物船換算トン数」)で、新型コロナ危機で急減した昨年の受注量811万CGTを超えた。サムスン重工業のチョン・ジンテク社長はこの日、「造船海洋業界は、昨年まで受注の壁と船価回復の遅延という二重苦の中でつらい時間を耐えなければならなかった」とし「私たちはいま、試練に勝ち抜いて再び跳躍を夢見ることができるようになった」と話した。
文大統領は、造船産業の危機克服には「強みは生かし短所は補完するという、この時代の新しい『鶴翼の陣』戦術で作り出した成果があった」と述べた。高付加価値船である大型コンテナ船、大型LNG運搬船などで独歩的な競争力を獲得し、船を発注する海運企業の韓進海運の破産を克服するために韓国海洋振興公社を設立し、大型コンテナ船20隻発注のための政策金融支援をするなど、造船会社が“苦しい峠”を乗り越えられるよう支援したということだ。合わせて「企業と労働者が労使協力を通じて、痛みを伴う構造調整で経営正常化に努力した」と述べた。
文大統領は続けて「体力を回復した造船・海運産業をいっそう強化する時」だと話した。カーボンニュートラルと第4次産業革命から始まったエコ・スマート化の波に乗る船を造るということで、文大統領は「これは天が私たちに与えたチャンスだと考える」と話した。そのためには、エコ・スマート船舶の技術力の確保と人材投資、生産性向上、大企業と中小企業が共に成長する産業環境を作ると述べた。
文大統領が任期中に巨済を訪問したのは今回で4回目。文大統領は、世界初の砕氷LNG運搬船「ヤマル5号」の出港、3千トン級潜水艦「島山安昌浩艦」進水式、世界最大のコンテナ船「アルヘシーラス号」の出港のたびに巨済を訪れ、造船業に対する関心を見せた。