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高齢化が進む韓国製造業…米国や日本より急速

登録:2021-08-23 20:28 修正:2021-08-24 09:04
韓国経済研究院、「2010~2020年製造業勤労者の高齢化推移」分析
造船所の労働者が溶接作業をしている=資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の製造業人材は主な製造大国である米国や日本よりも急速に高齢化している。このような分析が発表された。

 韓国経済研究院が23日に発表した資料「製造業勤労者の高齢化推移」によれば、製造業勤労者に占める50代以上の割合は、2010年の15.7%から2020年には30.1%に高まった。雇用労働部の雇用形態別勤労実態調査に基づく分析だ。同じ期間に30代の割合は35.1%から27.8%に、青年層(15~29歳)の割合は21.6%から15.2%に減った。40代の割合は27.7%から26.9%に下がった。

 韓国は、米国や日本より高齢化がはるかに急速に進んでいた。韓国の製造業勤労者の平均年齢は、2011年の39.2歳から2020年には42.5歳になり3.3歳上がったのに対して、日本は1.2歳(41.6歳→42.8歳)、米国は0.3歳(44.1歳→44.4歳)にとどまった。年平均増加率は韓国が0.90%で、米国の0.08%、日本の0.32%よりはるかに急だ。韓国経済研究院は「こうした傾向が続くなら、2026年以降には韓国の製造業勤労者の平均年齢は44.9歳になり、米国(44.6歳)、日本(43.6歳)を超えることになる」と推定した。

 韓国経済研究院は製造業の高齢化について「少子化にともなう人口の高齢化」のみが原因だとは言えず、「各種の企業規制、厳格な労働規制により既存の正規職は過保護になるとともに、製造業の投資と雇用が萎縮しているため、青年層の労働市場への進入が難しくなったため」と解説した。

 年齢層ごとの賃金の推移を見ると、50代以上の勤労者の月平均賃金は2010年の260万7000ウォンから2020年には409万6000ウォンとなり、年平均で4.6%増加したのに比べて、青年層は3.6%、40代は3.3%、30代は2.5%の増加にどとまる。韓国経済研究院は、高齢層の賃金が青壮年層より大きく上がったのは、生産性と無関係に勤続年数により賃金が上がる年功序列賃金体系のためと分析した。韓国経済研究院は雇用部の資料を引用し、2020年現在、100人以上の事業所のうち、年功序列賃金を導入しているのは半数以上(54.9%)を占めると明らかにした。

 韓国経済研究院のチュ・グァンホ経済政策室長は「製造業の高齢化は成長動力の弱体化につながり、産業および国の競争力を低下させ、世代間の所得両極化と青年の貧困を深化させる」とし「職務の価値や生産性を反映した賃金体系に改編し、労働柔軟性を向上させ、規制緩和により民間の雇用負担を低くすると同時に、教育・訓練の強化で労働の質的向上を後押ししなければならない」と話した。

キム・ヨンベ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1008704.html韓国語原文入力:2021-08-23 11:05
訳J.S

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