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ビットコイン、金を上回る資産か、限定版のバブルか

登録:2021-02-22 10:10 修正:2021-02-22 12:12
「主流の制度圏が認めた投資資産」 
北米初のETF、成功裏に登場 
先端企業・金融機関の事業が加勢し 
資金決済手段として評価が変わる 
 
「過剰な流動性が起こしたチューリップ・バブル」 
発行限度2100万個に需要が集中 
実質的な使用価値がなくても価格急騰 
FT紙「気候変動に逆行した投資」との指摘も
ビットコイン=ハンギョレ資料//ハンギョレ新聞社

 ビットコインの時価総額が1兆ドルを超え、投資資産の一つとして定着してきたという評価が出ている。一方、過剰な流動性が引き起こしたバブルに過ぎないと警告する声も依然としてある。

 米国の仮想通貨情報会社のコインデスクの資料によると、20日(現地時間)午後のビットコインの価格は、コイン当たり5万6500ドル前後で取引されている。ビットコインの発行限度は2100万個で、採掘量などを考慮した時価総額は1兆500億ドルに上る。ビットコインは前日、時価総額1兆ドルを初めて突破した。ビットコインに15億ドルを投資したと明らかにしたテスラの時価総額(7499億ドル)をはるかに上回った。米ニューヨーク証券市場で時価総額が1兆ドルを超える企業は、アップル(2兆1803億ドル)など4社のみ。韓国の取引会社のアップビットによると、ビットコインは21日午後4時現在、1個当たり6500万ウォン(約620万円)で動いている。

 特に北米初のビットコイン上場指数ファンド(ETF)が18日、カナダのトロントで成功裏に登場し、主流の制度圏の投資資産として認められたという評価が出ている。テスラなど先端企業やペイパル、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンなど金融機関も仮想通貨事業に加勢し、支払い決済手段としてビットコインの地位が高まるものとみられる。

 昨年、新型コロナウイルス危機を克服するため、米中央銀行などが通貨発行を大幅に増やし、仮想通貨市場に流動性が流入した。今年も経済回復のための追加の財政支出は避けられず、ドル安や物価上昇を懸念した投資家らは、危険防御の手段として金(きん)よりもビットコインを買い付けるだろうという分析が出ている。実際、ビットコインの価格は、コロナの大流行が始まった昨年3月の1個当たり4900ドル台から、6月は1万ドルへと高騰し、12月は4万ドルを突破した。一方、国際的な金相場は昨年8月にトロイオンスあたり2050ドルと史上最高値を記録した後、徐々に弱まり、現在は1770ドル台へと下がっている。金に対して長年強気を主張してきた「新・債券王」ことダブルラインキャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営者はツイッターに「これからはビットコインが金より良い賭けになるだろう」と書いた。

 一方、ビットコインの価格が最近ドル安と関係なく上昇してきたという点で、代替貨幣である金のような安全資産とみるのは難しいという主張もある。彼らは実質的な使用価値がほとんどないにもかかわらず、需給によって価格が急騰しているとみている。ビットコインは供給量が限られ、ドルのように勝手に印刷できず、需要が殺到すれば価格が高騰せざるを得ないという。価格変動性が主要資産の5~10倍に達する点もビットコインの弱点だ。ただ、これらの懐疑論者が2011年にビットコインが1ドルだった時も、2013年に200ドルだった時も、「17世紀のオランダのチューリップ・バブル」に比喩してバブル論を説いてきたという点で、現実性に乏しいという指摘も出ている。

 「フィナンシャル・タイムズ」はビットコイン投資が気候変動への対応に逆行すると指摘した。ネットワークに取引内容のブロックを作り取引情報を承認する採掘(マイニング)作業には電力が多く消耗する。環境・社会・支配構造(ESG)を主な投資基準とする機関は、テスラのように大規模にビットコインを買い入れる企業に批判的だ。

 ビットコインの最大の危険要因は、政府規制だ。ジャネット・イエレン米財務長官は18日、米経済放送CNBCのインタビューで、「投機的資産であるビットコインを扱う機関を規制し、責任を守らせることが重要だ」と強調した。

ハン・グァンドク先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/983878.html韓国語原文入力:2021-02-22 02:41
訳C.M

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