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現代自動車・起亜「アップルとの交渉中断」…“完全決裂”の可能性も

登録:2021-02-08 20:38 修正:2021-02-09 06:28
アップルのロゴ/聯合ニュース

 現代自動車グループと米アップル間の交渉中断が公式化されたことに伴う波紋が広がっている。市場の失望感が株価急落につながり、現代自動車・起亜の時価総額は、一日で9兆ウォン(約8500億円)以上が蒸発した。交渉が完全に決裂した可能性も提起されている。

 現代自動車、起亜、現代モービスは8日「当社はアップルとの自動運転車両開発に関する協議を進めていない」と同時に公示した。アップルとの交渉事実を認めてきた現代自動車グループが突然立場を旋回したのだ。

 これまでの積極的な態度に比べれば、温度差は一層鮮明だ。現代自動車と現代モービスは、関連報道が初めて出てきた先月8日に自主公示を通じて「多くの企業から自動運転電気自動車に関する共同開発協力要請を受けている」と明らかにした。先月20日、起亜はさらに一歩踏み出して「海外企業らと協業を検討している」と公示した。一方、アップルは「ノーコメント」で一貫してきた。「噂に対してはコメントしない」としたティム・クック最高経営者(CEO)の発言が全てだった。

現代自動車グループ-アップル 交渉関連日誌//ハンギョレ新聞社

 アップルが先に交渉のテーブルを離れたのではないかと解釈される理由だ。米「ブルームバーグ通信」は5日(現地時間)、アップルと現代自動車グループが最近話し合いを中断したと報道した。現代自動車グループが交渉事実を公開したせいで、秘密の維持を重視するアップル側が不快に思ったという説明だ。この場合、現代自動車グループが再び積極的な“鉗口”に出ただけにアップルが交渉に復帰する余地がある。今後、両企業が力比べを続け長期戦に入り込むこともありうる。

 交渉が再開されても最終的には決裂する可能性が高いとの意見もある。この間、専門家たちは両企業が“ウィン・ウィン”の関係を結ぶことは難しいと指摘してきた。アップルはこれまで、ハードウェアとOS、サービスをすべて直接主導する閉鎖的な運営環境を追求してきた。「アップルカー」も、こうしたバリューチェーン(価値連鎖)に編入させようとする可能性が大きい。問題は、現代自動車グループも同様な戦略を駆使している点にある。現代自動車グループは、自動運転車時代に備えてOSやクラウドなどのソフトウェアをすべて内製化している。両企業間の協業領域より競争領域がさらに広いと見る理由だ。

 業界は“交渉決裂”と判明する場合、両企業の信頼への打撃が避けられないと見る。両企業は共に水平的協業に対するノウハウが足りないという業界の評価が事実として立証された格好になるためだ。それは、未来車産業の特性を考慮すれば示唆するところが大きい。運営の独占が一部可能だった内燃機関車産業とは異なり、電気自動車と自動運転車の時代には水平的な技術協力が重要になると見られる。一企業がすべて請け負うには新技術分野が多様で、開発費用も莫大なためだ。最近になって自動車業界で大物間の戦略的提携が頻繁になったのはそのためだ。

 韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は「(アップルとの交渉が)完全に決裂したのなら、業界における現代自動車グループの地位が大きく下落するだろう」とし「早期に戦略的提携の成功事例を作り、反騰を試みる必要がある」と話した。

 この日、起亜の株価は直前取引日より15.0%下がった8万6300ウォンで取引を終えた。現代自動車と現代モービスの株価もそれぞれ6.2%、8.7%下落した。

イ・ジェヨン、ソン・チェ・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/982361.html韓国語原文入力:2021-02-08 18:14
訳J.S

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