現代自動車の今年第4四半期の実績が四半期基準で2016年以来最高水準であることが分かった。 今年の電気自動車戦略に本格的にエンジンをかけている現代自動車が、上昇の勢いを続けることができるかどうか、注目が集まっている。
現代自動車は26日、業績説明会を開き、昨年第4四半期の売上が29兆2434億ウォン(約2兆7500億円)、営業利益は1兆6410億ウォン(約1540億円)だったと発表した。それぞれ前年同期に比べて5.1%、40.9%増えた。シータ2エンジンの品質費用が2兆ウォン(約1880億円)ほど反映されていた昨年第3四半期に比べ、黒字に転じた。これは1兆7618億ウォン(約1660億円)の営業利益を上げた2016年第2四半期以降最高の業績だ。
年間基準では売上高103兆9976億ウォン(約9兆7730億円)、営業利益2兆7813億ウォン(約2610億円)だった。売上は2019年と同様の水準であるのに対し、営業利益は22.9%減少した。 財政経済部のソ・ガンヒョン本部長は「(シータ2エンジンの費用が反映された)第3四半期を除くと、営業利益が対前年比2桁改善した。ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が改善を続けている」と述べた。
新型コロナウイルスの感染拡大によるグローバル需要の激減にも善戦したわけだ。これは販売台数が減った反面、高級車種の割合が増えた影響とみられる。昨年、現代自動車の販売台数は374万5000台で、前年に比べて15.4%減少した。物量の減少による年間売り上げの減少分は11兆9520億ウォン(約1兆1240億円)に達すると同社は分析している。平均販売価格(ASP)の上昇やディーラーインセンティブの減少による売上増加効果は、計10兆3250億ウォン(約9700億円)だ。現代自動車のスポーツ実用車(SUV)販売の割合は2019年の40.5%から昨年は43.2%へ、ジェネシスの割合は2.0%から3.4%へと上昇した。
新型コロナ以降、中古車の人気が高まり、新車販売の減速効果が一部相殺された影響もある。昨年、金融部門の売上は、前年より5.1%増の16兆8480億ウォン(約1兆5800億円)だった。事業部門の中で唯一売り上げが改善した。現代自動車は特に、米国市場で中古車価格が上昇した効果が大きかったと説明した。現代自動車の関係者は「新型コロナで新車の代わりに中古車を求め始めたため、中古車価格が上昇し、現代キャピタルアメリカの売上が伸びた」と話した。
現代自動車は今年、自動車部門の売り上げを14~15%上げる計画だ。新型コロナ以降の消費回復を活用して販売量を増やし、ジェネシスやSUVの割合を拡大するのが主な戦略だ。電気自動車ラインナップも今年本格的に拡大する。現代自動車は3月、「アイオニック5」を皮切りに今年4種の電気自動車を発売する予定だ。年間電気自動車販売目標は昨年より60%ほど多い16万台。
現代自動車が上昇の勢いを続けるかどうかについては、評価が分かれている。コナ・エレクトリックの火災による品質リスクは依然として残っている。 欧州など主要市場で強化されている燃費規制にどう対応するかもカギとなる。韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は「現代自動車の主な成長戦略がスポーツ実用車の割合を増やすことだが、当面の売上が増加しても、今後燃費規制の側面でこうした戦略が負担として作用する可能性が高い」と指摘した。