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韓国、CPTPP加入の準備に拍車…英国の参加申請が追い風に

登録:2021-02-05 09:02 修正:2021-02-05 09:27
通商当局「用役課題の発注を準備」 
各省庁、規定の見直しに着手 
議長国の日本などと非公式協議も 
「既存の11の参加国すべての賛成が必要」 
最終妥結までは数年かかる見通し
昨年12月29日、ユ・ミョンヒ通商交渉本部長が貿易協会でキム・フンジョン対外経済政策研究院長、チャン・ジサン産業研究院長、アン・ドクグン国際通商学会長と共にCPTPPとWTO改革に関する新通商秩序への対応策について専門家懇談会を開いている=産業部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が、日本の主導でアジア太平洋地域11カ国が参加する「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)への参加交渉を事実上公式化した中、参加に伴うマクロ経済効果分析のため用役課題の発注準備に乗り出すなど、加入の準備が早く進められている。今月1日、英国がCPTPPの追加加盟を正式に申請した影響も大きいものとみられる。

「先決課題」の解決手続きへ

 通商当局の高官は4日、「昨年11月に最終妥結された『域内的な包括的経済連携協定』(RCEP、韓国、日本など15カ国が参加)の内容まで反映し、CPTPP参加によるマクロ経済効果を推計・分析するための政府の用役課題を準備している」と述べた。これと共に政府各省庁は、超大型自由貿易協定(FTA)であるCPTPPに規定された規範を満たすよう、商法や競争法など通商関連の国内制度や法律をCPTPPのレベルに合わせる作業に本格的に乗り出したという。追加加入に対する単純な「積極的な関心表明」を超え、加入要請が受け入れられるよう、一種の先決課題の解決手続きに入ったわけだ。

 特に通商当局は、CPTPP協定批准・加入を管理する寄託国のニュージーランドと、今年議長国の日本などを対象に非公式協議に入ったという。追加加入を希望する国は、正式な加入要請の前に11の既存の参加国と個別で協議を経なければならない。通商当局関係者は「デジタル電子商取引拡散と政府の輸出補助金問題など、グローバル貿易環境が急変しているにもかかわらず、世界貿易機関(WTO)が1995年発足以後、新しい通商規範を全く作り出せずにいる。だから主要国ごとに超大型自由貿易協定の枠組みで新しい通商規範を制定し、代替する流れが起きている」とし「世界7位の輸出大国である韓国も、新しい通商規範の制定に急いで合流しなければならない」と述べた。台湾とタイもCPTPPへの追加加入の意向を明らかにしてきた。

 韓国が追加加入交渉に乗り出す場合、最終妥結までは数年がかかる見通しだ。現在としては既存の11カ国が韓国と英国など追加加入希望国を一つにまとめて市場開放交渉に乗り出すのか、それとも「11対1」の個別交渉の方式で進めるのかがカギだ。韓国としては、農水畜産物の敏感品目を含め、6000品目(国際6単位品目コード基準)別に市場開放譲許案(関税撤廃・削減スケジュール)を設けなければならない。これに対し、既存の11カ国の市場開放レベルは交渉対象ではない。CPTPPの商品自由化レベルは95~100%(品目数基準、関税即時撤廃~最長21年間で撤廃)で、追加加入希望国は「最も高い水準の市場アクセス(開放)提供」を義務付けられている。

習近平主席「加入を積極的に考慮」…専門家ら「他の戦略的次元では」

 韓国と英国の追加加入の動きは、米国のバイデン政権のCPTPPの復帰時期、アジア太平洋地域をめぐり複雑な力学構図で展開されている米中通商覇権などの変数と直接からんでいる。既存の11の加盟国は、韓国と英国、台湾を先に引き入れるなら世界最大市場の米国をCPTPPに復帰させることができると計算している。政府関係者は「日本、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、シンガポールなど多くの既存の参加国は、参加国を拡大しようという立場」だと述べた。

 こうした中、中国の習近平主席も昨年11月のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で「CPTPP加入を積極的に考慮する」と明らかにしている。これについて通商専門家らは、「中国の立場は(実際に加入するという意図というよりは)別の戦略的次元」だろうと解釈している。米国の追加加入を牽制し、CPTPPの広範囲な拡大を遅らせるという目的があるということだ。英国の政府研究所のジェームズ・ケイン研究員は、最近ロイター通信に「CPTPPは国営企業の補助金などグローバル通商規範を破っている中国の慣行に対抗し、新しい規則を作るための共同戦線ブロック(世界市場経済規模13.5%)という点で、政治経済的性格の協定」と述べた。一部では、中国が後からCPTPPへの追加加入を申請しても、既存の参加国が拒否権を行使する可能性が高いと見ている。追加加入が実現するためには、既存の11の参加国がすべて賛成しなければならない。

チョ・ゲワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/981970.html韓国語原文入力:2021-02-05 07:57
訳C.M

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