韓国総合株価指数(KOSPI)が、過熱という非難をよそに一時3000ポイントを優に超え、新たな地平を切り開いたのは、何よりも韓国の産業構造が新成長産業を中心として急速に再編されていることが原動力として働いたという分析が出ている。
6日に韓国取引所が集計した時価総額の上位銘柄を見ると、韓国株式市場の二つの軸であるサムスン電子(優先株含む)とSKハイニックスの時価総額の合計がKOSPI全体の26.5%と、4分の1を超える。今回のラリーより前の最高値(2018年1月29日)当時と比べ、割合が5.5ポイント拡大している。バッテリーメーカーへと転換したLG化学とサムスンSDIの時価総額の割合は2倍(2.2%→4.5%)に拡大した。当時は2%にも達していなかったネイバーとカカオの時価総額の割合は3.4%、サムスンバイオロジックスとセルトリオンの割合も3.4%から4.2%へと拡大した。この2年間で半導体は一層強くなり、バッテリー、バイオ、インターネットなどの様々な新経済関連株が飛躍したのだ。
KOSPI2000という記録を初めて達成した2007年7月と比べると、時価総額上位10銘柄は、サムスン電子、SKハイニックス、現代自動車の3銘柄以外はすべて入れ替わっている。ポスコや韓国電力、現代重工業などの伝統企業や金融の株は軒並み下落。一方、現代自動車や現代モービスなどの自動車業種は、電気自動車を足がかりとして再び躍進している。チェ・ソグォンSK証券リサーチセンター長は「韓国の主力産業は、かつての造船や鉄鋼などの景気に敏感なものから、ネイバーやカカオのようなプラットフォーム企業や、二次電池などの利益が安定した新技術・新成長企業へと多角化している」と評価した。
韓国の産業構造は、2000年代のエネルギー、素材、産業財中心から情報技術、コミュニケーション、バイオなどの新成長産業中心へと転換しつつある。金融情報会社ファクトセットの資料によると、昨年末現在の韓国の新成長産業の割合は64%で、世界平均(43%)はもちろん、米国(53.3%)をも上回る。特にコロナ禍をきっかけとして、国内証券市場では非対面、環境、電気自動車業種の割合が拡大した。メリッツ証券のイ・ジヌ研究員は「かつてのように基幹産業の循環的好況ではなく、産業構造自体の変化によって株式市場における主導株が誕生している」と分析した。
このような産業パラダイムの転換は輸出にも表れている。コロナ禍以降、情報技術とバイオ製品が輸出に占める割合は35%前後にまで上昇しており、これに自動車を加えると半分に達する。ハイ投資証券のパク・サンヒョン専門委員は「半導体やコンピューター、蓄電池などの輸出の増加傾向は、デジタル経済と革新産業の成長の風を受けて、しばらくは続くだろう」と予想した。
新韓金融投資は報告書で、「新成長産業の飛躍により、これまで評価の低かった韓国株式市場がV字反発を示しているもの」と評価した。将来の成長性に注目した投資家が、適正な値をつけ始めたというのだ。韓国の情報技術業種の株価収益率(PER)は現在14.1倍で、世界平均(27.5倍)の半分の水準だ。NH投資証券のノ・ドンギル研究員は「半導体と二次電池分野で世界1位を争う主力企業がKOSPI上昇を引っ張っていくだろう」との見通しを示した。