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人民元高で1ドル1130ウォンに迫る…拍車かかるウォン高ドル安

登録:2020-10-22 06:49 修正:2020-10-22 08:12
人民元にともないウォンも高く 
中国経済回復により1カ月間で 
1180ウォンから1130ウォンのウォン高に 
米国の浮揚策、ドル安の要因に 
為替レートがどの程度さらにウォン高に向かうか 
変動性が高く不確実性も
//ハンギョレ新聞

 10月に入り、ウォン・ドル為替レートが急激にウォン高へと向かっている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により過去3カ月で1285ウォンまでウォン安になったウォン・ドル為替レートは最近、急激なウォン高化の傾向を続け、1130ウォンのラインまで脅かしている。米国の追加景気浮揚策への期待感が高まったうえ、中国人民元が通貨高を示した影響だと分析されている。

 21日のソウル外国為替市場でウォン・ドル為替レートは前日より7.5ウォン下げた1131.9ウォンで取引を終えた。終値基準では昨年3月22日(1130.1ウォン)以降で最も低い(ウォン高)水準だ。ウォン・ドル為替レートは今月だけで24ウォン下落した。1日の平均下落幅が2.9ウォンで、9月の平均下落幅(0.9ウォン)の3倍を超えた。

 米国の2兆2千億ドル規模の追加景気浮揚策の妥結の可能性が高まり、最近の中国経済の回復により人民元も通貨高を継続している点が、韓国ウォンの為替レートのウォン高化の原因に挙げられる。米国が追加景気浮揚策を執行すればドルの供給量が多くなり、ドル安が続く可能性が高い。また、韓国の主要輸出国である中国の内需市場が生き返れば、韓国ウォンの価値も人民元にしたがい高まってくる。中国人民元の価値は、3月の1ドル当たり7.16元から6月末の7.0元と3カ月間で大きな変化はなかったが、7月末は6.9元、今月20日は6.67元と激しい人民元高となった。COVID-19の流行の傾向が徐々に弱まっていき、中国経済が生き返り始めた影響だ。中国元・ドル為替レートが6.67元台で取り引きされたのは2018年7月26日(6.79)以来2年ぶりだ。

 為替エコノミストは概してウォン高の傾向を予測しながらも、最近の急激な変動幅の拡大にともない一息つく可能性を残した。大信証券のコン・ドンラク研究委員は「他国と比べCOVID-19の影響を相対的にあまり受けなかった中国と韓国は、長期的に対ドルの通貨価値の高まりを示すことがありうる」としながらも「今は人民元と韓国ウォンの両方とも通貨上昇の速度があまりにも速く、短期的な調整があるだろう」とした。彼は、ウォン・ドル為替レートは当分の間、1120ウォンから1130ウォン台に留まると見通した。KB証券エコノミストのキム・ヒョジン氏も「国内の輸出回復が緩やかに進められることで、中国も人民元の通貨上昇の速度を調節する措置を取っただけに、追加の通貨上昇よりは年末まで現在の水準を維持するものとみられる」と述べた。中国人民銀行は10日、人民元の為替レートの安定性を強調し、為替先物取引で使われる証拠金を廃止した。

 米国大統領選挙などの大きな変数も、為替レートの速度調節を予測する背景に挙げられる。サムスン証券のホ・ジヌク研究委員は「長期的には米ドルは通貨安に向かうだろうが、しばらくは米国の大統領選挙の不確実性と欧州のCOVID-19再流行にともなうユーロ安などにより、ドル安化の速度が落ち着く可能性が高い」とした。

 一方、ハイ投資証券のパク・サンヒョ研究委員は「米国大統領選挙での民主党勝利の予想と中国政府が為替レートを重要な政策手段として活用する可能性などを考慮する場合、人民元の切り上げ基調は、最大で6.28元まで人民元高になる余地がある。ウォン・ドル為替レートでさらにウォン高になる可能性も残っている」と見通した。米大統領選で民主党候補の当選により米中貿易紛争が緩和される可能性と、中国経済の相対的に早い回復、中国政府のいわゆる「双循環」(輸出・内需)浮揚策が、人民元とウォン貨の通貨高に繋がりうるという話だ。

シン・ダウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/966715.html韓国語原文入力:2020-10-22 02:42
訳M.S

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