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テスラ株価、シスコの二の舞になるか

登録:2020-09-13 20:44 修正:2020-09-14 15:35
グラフィック_キム・ジョンスク//ハンギョレ新聞社

 テスラは疑いの余地がない存在なのだろうか。

 電気自動車メーカーとしてのテスラではなく、テスラの株価の話だ。昨年末、テスラの株価は50ドル台だった。このたび最高値が500ドルを超えたので、1年も経たずに株価が10倍近く上昇したことになる。「株価が上がれば人も集まる」で、韓国の投資家もテスラ株を熱心に買い集め、保有額が4兆ウォン(約3500億円)を超えた。

 市場では、2000年のITバブル時に期待ばかりが先行していたが、今は実績に裏付けられているのでハイテク株の上昇は当然だと話す。それは現在最も良い企業と2000年当時の一般企業を比較するので出てきた結果に過ぎず、過去の最高企業と比較するなら話が変わる。2000年当時、米国の最高株式はシスコ、インテル、オラクル、マイクロソフトだった。今はFAANG(フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグル)がナスダックを牽引しているように、2000年にはこれの企業が市場をリードしていた。

テスラとシスコの株価推移, 資料:ブルームバーグ//ハンギョレ新聞社

 当時、シスコはウォール街から“人類が作った最高の会社”との絶賛を受けた。必要な部門を外部から吸収合併し、我がものにする卓越した能力を備えていて、インターネット連結に必ず必要な装備を独歩的技術で生産するため、展望もすこぶる良かった。問題は株価が下落して発生した。バブル崩壊の直前に78ドルだった株価が、崩壊後1年で17ドルになり、80%近く下落した。世界時価総額1位で利益を多く出し、展望までが良い会社も、高い株価に耐え抜くことはできなかったのだ。現在の株価は20年前の半分水準に止まっている。インテルもいまだに当時の株価を回復できていない。マイクロソフトは飛び切り高い価格になったが、この会社も2000年当時の株価を超えるのに16年かかった。今は当然と感じる事実も、時間が経てば変わる。テスラが電気自動車の世界を支配するだろうという信頼が、5年後にも当然として受け入れられているかは分からない。一気に株価を10倍も引き上げるほどなのかは、一層判断し難い。

 金融危機以後、ナスダックが現在の指数になるまで4回の上昇があった。最初は1300から始まり、2年間で117%上昇した後で終わった。2回目は4年間で120%上がった。3回目は4300から始まり8100まで88%上昇した。そして今は4回目の上昇が進行中だが、6カ月間に83%上がった。新型コロナで株価が大きく下落したので、短時間に上がったのだとは言えるが、そうした事情は過去にも毎回あった。短期に大きく上昇しただけに、株価が今下落してもおかしくない。

 ナスダックの株価指数が2日間の取引場で10%落ちるほど動揺した。ナスダックの下落はナスダックだけでは終わらない。米国を除く他の先進国市場が、憂鬱な経済にもかかわらず耐え忍んでいるのはナスダックがあるためだ。米国経済に何かがあってナスダックが上がっている以上、米国経済が大丈夫なら韓国経済も近い将来良くなるだろうと信じているからだ。今度は下落の可能性のためにナスダックが再び関心を集めている。

イ・ジョンウ|株式コラムニスト (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/961958.html韓国語原文入力:2020-09-13 18:39
訳J.S

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