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LG化学・CATL二強体制…「電気自動車バッテリーの両雄対決」幕開け

登録:2020-08-08 07:05 修正:2020-08-09 17:22
LG化学、今年は世界第1位になれたが 
中国のCATLとのシェアの差狭まる 
 
テスラのモデル3スタンダードレンジに続き 
ドイツのダイムラーEQSもCATLを搭載することに 
LG化学、まずは取引先を奪われた格好 
 
「原価削減宣言」のテスラの去就に注目 
今後の電気自動車市場の再編も変数
主要企業別の電気自動車バッテリー市場シェア//ハンギョレ新聞社

 LG化学と中国のCATLの間でバッテリーの両雄対決が始まろうとしている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態においても大部分のサプライチェーンを稼動したことにより、LG化学が今年上半期は1位になれたが、中国市場を背景とするCATLの攻勢が本格化し、競争がさらに激化する様相だ。当面は電気自動車バッテリー市場の二強体制が続くという観測が力を増している。

 ドイツのダイムラーグループは5日(現地時間)、メルセデス・ベンツとCATLの間で戦略的パートナーシップを強化すると発表した。メルセデス・ベンツは来年発売される走行距離700キロメートル(ヨーロッパ基準)のセダンEQSにCATLのバッテリーを搭載するだけでなく、次世代バッテリーの研究開発もCATLと共同で進める計画だ。メルセデス・ベンツのマルクス・シェーファー最高執行責任者(COO)は「バッテリー技術を主導するために、大胆なパートナーたちと研究開発を共同で進めていく」とし、「CATLと協力することにより、カーボンニュートラルに向かう転換の速度を上げることができるだろう」と述べた。

メルセデス・ベンツのマルクス・シェーファー最高執行責任者(左側)とCATLのロビン・ゼン(曽毓群)会長=ダイムラー提供//ハンギョレ新聞社

 LG化学としては主要取引先を奪われた格好となった。これまでLG化学は、ベンツの別のモデルであるEQCにバッテリーを供給してきた。EQCはベンツが初めて発売した純粋な電気自動車だが、低温走行距離基準の未達により国内で補助金を得ることができないなど、屈辱を受けたことがある。ある業界関係者は「(ベンツが)最後までLG化学とCATLについて天秤にかけたと認識している」とし、「どうやら技術の側面で、CATLがより望ましいと判断したようだ」と語った。業界の1位と2位を占める両企業間の勢力争いが、最近になり本格化しているわけだ。

 昨年まで3~4位圏に留まっていたLG化学は、今年はCOVID-19事態を機に1位になったが、LLG化学とCATLの間のシェアの差はわずかなレベルだ。SNEリサーチの調査結果によると、LG化学は今年上半期に全世界の電気自動車バッテリー市場でシェアの24.6%を占めた一方、CATLは23.5%で、その後をぴたりと追っている。昨年、“三強”の一角に挙げられていたパナソニックは、今後は下落傾向を免れることができないだろうという予想が強まり、二強体制が固まっている。

 テスラをめぐり両企業が繰り広げる競争も関心の的だ。今年中国で量産に入ったテスラのモデル3の去就は、特に注目される。最近、テスラはモデル3スタンダードレンジにCATLのリチウムリン酸鉄(LFP)バッテリーの搭載を始めた。これまで中国産のモデル3にバッテリーの全量を供給していたLG化学としては、当然緊張せざるをえない立場だ。COVID-19事態にともない一時は全ての中国工場の稼働を中断していたCATLが、今後は生産を増やし、LG化学をさらに追いつめる可能性もある。最近、原価削減を再び宣言したテスラが、今後どの企業と協力を強化するかも未知数だ。

 ただし、受注と実際の供給の間には時差があるだけに、現在の水面下での争いが数字上の変化として現れるまでには時間を要すると見られる。現在、テスラの独走体制である電気自動車市場が長期的にどう再編されるかも重要な変数だ。ある業界関係者は「現在までに発表された受注と量産能力を考慮した場合、少なくとも1~2年間はLG化学とCATLの二強体制が続くと見られる」と予測した。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/956844.html韓国語原文入力:2020-08-07 09:56
訳M.S

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