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新型コロナで遅れる5G・8K開花期…泣いた電子業界

登録:2020-03-29 20:35 修正:2020-03-30 06:45
アップル、初の5Gスマートフォン延期説も 
東京五輪の延期で8K戦略にも支障
昨年6月に開かれた「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)上海」の行事会場の華為ブース//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散傾向が続き、2020年を5世代(5G)、8K(8000)などの新技術の市場開花期にしようとしていた電子業界が泣いている。供給の支障と需要の減少が同時に発生したうえに、業界最大の好材料である五輪までが延期になり、販売戦略にも大きな支障が出た。

 今年は5G通信市場拡大の変曲点と予想されてきた。昨年4月、韓国を筆頭に始まった5G市場は、サムスン電子と中国華為(ファーウェイ)など大型メーカーの5G用新製品発売にもかかわらず本格化できなかった。通信網の不備と限定された端末などの影響だ。市場調査機関のカウンター・ポイント・リサーチの資料によれば、2019年に販売されたスマートフォンのうち、5G用は1%に過ぎなかった。代わりに2020年には製品群の拡大とともに価格が下がり、特に高価格スマートフォンの先頭走者であるアップルが初の5Gスマートフォンを出して状況が変わると見られてきた。

 アップルは、2011年から毎年9月に新商品を発表してきたが、今年はその時期が延期されるという予想が相次いでいる。日本の日経アジアンレビューが、新製品「iPhone12」の発売が数カ月遅れるかもしれないと報道したのに続き、グローバル投資銀行JPモルガンも25日(現地時間)、類似の展望を出した。「世界的移動制限で(新製品の)技術検証試験(EVT)などに多様なボトルネック」が生じたということだ。「初の5GiPhone」が出されても、市場の期待ほどには販売量が伸びないという憂慮もアップルを停滞させているとの分析だ。

 “世界1位”のサムスン電子の状況も容易でない。5G市場を先行獲得するために、先月野心的に出したギャラクシーS20の販売が振るわないうえに、年間生産量(3億台程度)の40%を担当するインドのノイダ工場は、23日から4月14日まで閉鎖されることになった。中国内需に依存して市場影響力を拡大してきた中国華為も直撃弾を受けた。カウンター・ポイント・リサーチの分析によれば、先月のスマートフォン販売量は前年同期比14%減少し、中国では38%も急落した。華為は、毎年2月に開かれるモバイル・ワールド・コングレス(MWC)で新製品を大々的に発表してきたが、COVID-19の影響でMWCの開催が取り消され、オンラインだけで5G新製品を公開している。

 テレビメーカーも打撃が大きい。サムスン電子、LG電子などの韓国企業はもちろん、日本のソニー、パナソニックなど主要テレビメーカーは、7月に始まる予定だった東京五輪を8Kテレビ大衆化の踏み台にしようとしていた。8Kは、現在テレビ市場の主流である4Kより、さらに4倍鮮明な解像度で、日本は五輪に“8K生中継”を準備してきた。各メーカーはこれに合わせて8Kテレビのラインナップを拡大してきたが、開催延期で五輪特需を享受できなくなった。

ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/934687.html韓国語原文入力:2020-03-29 17:03
訳J.S

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