本文に移動
全体  > 経済

米中貿易戦争、日本の二の舞になるか? 中国は違う?

登録:2018-04-18 06:10 修正:2018-04-18 16:15
1980年代、米日の貿易摩擦に似た様相に関心集まる 
政策的な国内企業の育成と米技術の導入の試み 
米USTR代表は当時副代表務めた人物 
中国、輸出の比重や対米安保依存度低く 
 
米国、中国の通信会社ZTEとの取引禁止する強硬制裁 
中国は米国産キビへの反ダンピング予備判定で対抗
今月13日、中国山東省青島の港に貨物船が浮かんでいる=青島/AP聯合ニュース

 「1980年代に、日本の対米貿易黒字は大規模なものだった。米国の強要でプラザ合意に署名した後、円は急速に切り上げられ、このような激しい変化は日本の市場や産業、経済など各方面に否定的な影響を与えた。中国は日本の苦い経験を教訓にし、警戒心を高めると共に、慎重に行動しなければならない」

 福田康夫元日本首相(82)が9日、中国共産党機関紙「人民日報」電子版に寄稿した文章の一部だ。最近の米中「貿易戦争」局面に対し、30年前に米国が日本を屈服させた事例から教訓を得て、中国も注意しなければならないという趣旨だ。早稲田大学経済学科出身で、日本の最高指導者を歴任した彼の隣国に対する忠告だ。

 1980年代に日本は主要企業をグローバル企業に育成する一方、米国の先進技術を導入して高度成長を続けて行こうとした。危機感を感じた米国は、不公正貿易行為に対する報復措置を正当化する通商法第301条を武器に、日本を圧迫した。アジアの伝統的な大国だったが一時困難を経験した国が、経済成長を足場に自国の世界的な地位を脅かすと、米国が不満を抱いて報復に出る過程は30年前も今も類似している。あいにく、現在米中貿易戦争局面を主導するロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、ロナルド・レーガン政権で通商代表部副代表を歴任した人物だ。

米国の対日、対中貿易赤字//ハンギョレ新聞社

 日本は1965年、米国を相手に初の貿易黒字を記録して以来、黒字規模を拡大し、1987年には世界第2位の経済大国に成長した。その頃、日米貿易摩擦もピークに達した。米国は鉄鋼や自動車など日本の製品に反ダンピング措置を取り、懲罰的関税で脅かすと共に、輸出規制と輸入拡大を要求した。1976~89年通商法第301条を根拠に、日本産輸入品に対して20回調査を実施した。昨年8月に中国の知識財産権侵害調査を実施した根拠として使ったまさにその条項だ。

 米国はまた、1985年のプラザ合意で円の切り上げを強要し、対日赤字の削減に乗り出した。プラザ合意以来1988年まで、ドルに対する円の価値は86%も上がった。日本政府は金利を下げ、内需を刺激する政策で円高に対応しようとしたが、結果的には資産バブル形成と崩壊につながり、「失われた20年」に陥った。

 中国が日本のように屈服すれば、日本の二の舞を踏む恐れがあるともいわれているが、日本のように“凄惨な”結果にはつながらないという見通しも示されている。まず、中国経済の体質は当時の日本と異なる。香港の「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、中国経済における輸出の寄与度が20%に過ぎず、経済政策も輸出から内需中心に切り替わったうえ、人民元の為替レートが安定的だという違いを提示した。

 米国への依存度においても明確な差がある。「ウォールストリートジャーナル」は、日本が安保を依存する米国の要求を受け入れざるを得なかったとして、日本は貿易戦争どころか報復処置を突きつけたこともないと指摘した。一方、中国は、報復関税を課すという米国の発表に、直ちに対抗措置を講じるほど、大胆な姿勢を見せている。

 米国が貿易戦争でいつも勝利したわけではない点も、示唆するところがある。1800年代初め、トーマス・ジェファーソン大統領は、英国船舶の海上横暴に抗議し、英国産の輸入品を拒否したが、不幸にも米国の全体貿易が崩壊する結果につながった。日本と貿易摩擦が最高潮に達した当時、米国はインドにも通商法第301条による関税賦課の威嚇を加え、保険市場の開放を求めた。しかし、インドが交渉を拒否すると、結局、米国は要求を撤回した。

 一方、米中貿易戦争は激しさを増している。米商務省は16日、中国の通信装備会社「中興(ZTE)」に米国企業との取引を今後7年間禁止させる強硬な処置を取った。昨年、対イラン制裁違反を理由に11億9000万ドルの罰金を賦課したのとは別に、中興が合意した従業員懲戒などの約束を守らなかったとして、追加措置を取った。中国商務省は17日、米国産のキビに反ダンピングの予備判定を下し、直ちに反撃に乗り出した。18日から米国産キビの輸入業者たちは、暫定的ダンピングマージンによって最大178.6%の保証金を払わなければならない。

 中国と共に米国から鉄鋼・アルミに対する高率関税が賦課された欧州連合(EU)も同日、米国を世界貿易機関(WTO)に正式提訴した。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/840978.html韓国語原文入力:2018-04-17 22:55
訳H.J

関連記事