米中間の関税報復貿易戦争が現実化しても、韓国の輸出減少幅は両市場ともにそれぞれ1億ドル前後にとどまるとの分析が出た。
産業通商資源部が12日、ソウル貿易保険公社で開いた「米・中貿易紛争業界懇談会」で、イ・ジンミョン産業研究院産業統計分析本部長は、米・中相互関税賦課が現実化した場合、韓国の中国向け輸出は年間1億1千万ドル減少し、米国向け輸出は9千万ドル程度減少するものと予想されると明らかにした。イ本部長は、米国が中国産1333品目に25%の関税を賦課し、これに対抗して中国が米国産128品目に15~25%の関税および106品目に25%の関税を賦課した場合、韓国産製品の中国市場輸出は1億1千万ドル(2017年中国向け全輸出額1421億ドルの0.07%)減少し、韓国の関連国内産業生産は2億5千万ドル程度減少すると推定した。
韓国産製品の米国市場向け輸出は年間9千万ドル(2017年米国向け全輸出額686億ドルの0.13%)程度減り、関連製品の国内産業生産は2億4千万ドル程度減少すると予想した。これは韓国の対米および対中輸出影響を世界産業連関表(WIOD)を使って定量分析した結果だ。産業研究院は「米中貿易戦争にともなう影響は微小もしくは制限的」だとし、「韓国・米国・中国の間の3角輸出構造を考慮する時、韓国の中国向け輸出は化学・情報通信技術(ICT)に、米国向け輸出は自動車および自動車部品・情報通信技術業種に制限的影響があるだろう」と分析した。
この日の懇談会に参加した業種別協会・団体も、韓国企業の対米、対中輸出に及ぼす影響は制限的と見通した。中国向け輸出を見れば、主力輸出業種である半導体・ディスプレイはスマートフォン・コンピューター本体など主な需要品目が制裁対象から除外されているため、韓国の輸出に及ぼす影響はきわめて少ないと予想した。自動車・機械・鉄鋼もほとんどが中国内需用に輸出されているため、米国に再輸出される物量はほとんどなく、影響は微小と評価した。しかし、電子機器についてはプリンター・コピー機などが制裁対象に含まれているため、一部部品の輸出減少がありうると予想した。一方、中国が米国産プロパン制裁を含めたことにともない、韓国の石油化学業界の反射利益も一部予想される。対米輸出についても自動車、電子機器など核心輸出業種は米国内需中心の輸出構造なので、米中相互関税措置にともなう影響は微小だろうと予想した。