サムスン電子サービスが協力業者に所属する職員8000人余りを直接雇用するという決定に、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の同意があったものと見られる。イ副会長は2016年の国政壟断聴聞会で「(サムスン電子サービスの協力業者に所属する労働者の問題を)なんとかしてみる」と答えたことがあり、1年余りでその約束を守ったという評価が出ている。
17日、サムスン電子は今回の協力業者直接雇用決定に対して「サムスン電子サービスの経営陣とサムスン電子サービス支会(労組)間の合意に従ったもの」と説明した。しかし、親子会社であるサムスン電子とサムスン電子サービスの関係を考慮すれば、サムスン電子の積極的な関与があった可能性が大きい。
サムスン電子サービスは、サムスン電子の子会社であり、1998年にサムスン電子のサービス事業部が分社して作られた。株式の99.3%をサムスン電子が保有していて、サムスン電子製品のアフターサービスを主たる業務とする。構造上、主要経営事項の決定には大株主であるサムスン電子の承認が必要だ。さらに今回のサムスン電子サービスの決定は、サムスングループ全体の無労組経営を事実上放棄するものと受けとめられるほど、社会的波及力が大きい事案なので、イ副会長の関与も一層大きかったと見られる。ある財界関係者は「サムスン電子とサムスン電子サービスの関係を見る時、当然サムスン電子の経営陣、中でもイ・ジェヨン副会長の指示ないしは同意があったと見るべきだ」と話した。イ副会長が今回の事案を主導してはいないまでも、少なくとも同意または反対しなかったためにこうした結果が出たということだ。
イ副会長が過去の約束を守ったという解釈も出ている。イ副会長は2016年12月、チェ・スンシル国政壟断聴聞会で「サムスン電子サービスの下請け労働者問題を解決する考えがあるか」というユン・ソハ正義党議員の質問に「むやみに約束してはいけないが、それは私が行ってなんとかしてみる」と答えたことがある。
イ副会長が本人に与えられた別の社会的課題に対してどう答えるかにも関心が集まっている。イ副会長は、サムスングループの支配構造改善と共に、イ・ゴンヒ会長の秘密資金の社会還元問題、サムスン半導体被害労働者問題など、解決しなければならない種々の問題を抱いている。イ副会長が贈賄疑惑に対する最高裁(大法院)裁判を控えた状況で、どんな解決策を出すかに関心が集まっている。