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サムスン電子50対1株式分割…「イ・ジェヨン副会長2審宣告前に準備されたカード」

登録:2018-02-01 23:03 修正:2018-02-02 09:30
10カ月ぶりに態度変更 
株主総会を経て5月16日に新株上場 
 
1株2百万ウォンの株式が5万ウォン台50株に 
「イ副会長のイメージ向上に役立つ」 
「国民年金など機関の監視回避が目的」意見も 
 
株価一時、8.71%急騰 
0.2%高い249万5千ウォンで終了 
外国人投資家6千億ウォン近く売り越し
グラフィック_チャン・ウニョン//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子が“50対1”の株式分割方針を電撃発表し、その背景に関心が集まっている。これは昨年3月に明らかにした「株式分割は株主価値の向上に役立たない」というこれまでの立場を変更したものだ。サムスン電子の立場の変化が、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の2審宣告を5日後に控えた時点で出てきたために、様々な解釈が出ている。

 サムスン電子は31日午前、株式分割計画を明らかにし「理事会は株主価値を向上させるための方案の一つとして、50:1の株式分割施行を決議した」と明らかにした。株式の分割により株式買い入れのためのハードルを下げ、売買の活性化を通した株価上昇を誘導するということだ。株式分割後には、サムスン電子の株式数は1億2838万株から64億1932万株に増え、1株当り250万ウォンの株式が5万ウォンの50株に変わる。サムスン電子は3月23日の株主総会でこの案件が通過すれば、旧株交換作業などを経て5月16日に新株を上場する予定だ。

 サムスン電子の株価は、2011年に100万ウォンを突破した後、昨年1月には200万ウォンを超え、現在は240~250万ウォン台を前後している。これまで株式分割をしなかったため、一般の個人投資家が接近しにくい株式と言われてきた。サムスン電子の株主構成は、昨年第3四半期基準で国内個人投資家は3%に過ぎず、外国人(53%)とオーナー一家(20%)、国内機関(17%)などが株式の大部分を保有している。5万ウォン台に株式価格が下がれば、個人投資家も容易に株式を買えるようになる。ハイ投資証券のイ・サンホン研究員は「株式分割は企業のファンダメンタル(基礎条件)には影響ないが、取引量が増え株式価値が多少上がる可能性はある」と話した。

サムスン電子株式の50対1額面分割//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子はこれまで株式分割要求を断ってきた。昨年3月の株主総会当時、クォン・オヒョン副会長は「株式分割は考えていない」と明らかにした。10カ月でサムスン電子の態度が変わったことに対して、専門家たちは株式分割の決定時点に注目しなければならないと話す。匿名を要請したある証券会社のアナリストは「イ副会長の2審裁判を控えて準備したパフォーマンスと見える」として「皇帝株を国民株に変えて、裁判所と一般国民に肯定的イメージを植え付けようとしたようだ」と話した。

 最近の株価下落とサムスン電子のイメージ失墜に対する「イ・ジェヨン責任論」から抜け出して、国民年金など機関投資家の監視を回避するための措置という解釈もある。また、別の証券会社アナリストは「サムスン電子は、イ副会長の収監以後、投資家をなだめるために配当、自社株買い・焼却など株主価値の向上に途方もない資金を使った。その最終版ともいえる株式分割で、株価を引き上げイ副会長責任論に対する批判を回避するための策と見られる」と話した。3月23日の株主総会でのイ副会長の登記理事辞退要求などを事前に阻むための措置ということだ。

 加えてスチュワードシップコードの導入など、文在寅(ムン・ジェイン)政府になって強化される機関投資家の議決権行使に対する対応という解釈もある。同アナリストは「単一株主として最大株主の国民年金(9.7%)が、新政府以降に議決権行使の強化など声を高める状況で、個人投資家を増やしこれを防ぐ目的もあると見られる」と話した。3%に過ぎない個人投資家が増えれば、国民年金など機関投資家の経営干渉に対抗する効果を期待することができる。

 だが、株式分割は自社株買い・焼却、配当拡大のような既存株主への還元政策とは性格が異なり、株価上昇に多いに役に立つかは未知数だ。本質的な企業価値に変化がないためだ。KB証券が2000年以後の株式分割事例を分析した結果を見れば、株式分割の公示後に上昇し、一定期間後には下落する流れを見せた。この日、サムスン電子の株価は午前に一時8.71%急騰して270万ウォンを超えたりもしたが、徐々に上げ幅が縮小し、結局0.2%上がった249万5千ウォンで取引を終えた。サムスン電子の株式持分の52.45%を握っている外国人投資家は、この日4年8カ月ぶりに最大規模の6155億ウォンを売り越した。

 一方、サムスン電子はこの日、昨年の売上高239兆5800億ウォン(約24.4兆円)、営業利益53兆6500億ウォン(約5.5兆円)という史上最高実績を公示した。半導体だけで営業利益35兆ウォンを上げ、前年より258%増え、家電部門の営業利益は1兆6500億ウォンで前年より1兆600億ウォンも減った。

チェ・ヒョンジュン、ハン・クァンドク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/830270.html韓国語原文入力:2018-01-31 21:07
訳J.S

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